最近流行りの「裸電球(風)照明だけ」の食べ物屋さんでのひとり撮影って、一眼レフだと結構難しいんだよ〜。

http://artifact-jp.com/2012/03/19/d3s-gigazine-photo/
D3Sで撮影したGIGAZINEの写真を見て「高価な機材だからといって、いい写真が撮れる訳ではない」を実感させられる
ARTIFACT ―人工事実―
 
http://gigazine.net/news/20120317-uchoten-fried-chicken/
100円で鳥の唐揚げが食べ放題の居酒屋「有鳥天酒場」に行ってきた - GIGAZINE
 
 話題のエントリーなので便乗してみることにして、試しにテスト撮影してみたら、
予想以上にニコンフラグシップボディとレンズの「地力」がすごかったことに気がつきました。
 
カメラに詳しくない人に説明するためにリンク張ると、D3Sってのは、こんなに凄いカメラです
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/review/newproduct/20091117_329535.html
ニコンD3S - デジカメWatch
http://gigazine.net/news/20091127_nikon_d3s_night/
ニコンD3S」の高感度撮影モードやISO 102400相当を駆使し、夜景を三脚無しで撮影してみた - GIGAZINE
あ〜、GIGAZINEでも発売直後に取り上げてるわ。
 

Nikon デジタル一眼レフカメラ D3S

Nikon デジタル一眼レフカメラ D3S

http://www.nikon-image.com/products/camera/slr/digital/d3s/spec.htm
D3S - 主な仕様 | ニコンイメージング
Nikon 標準ズームレンズ AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED フルサイズ対応

Nikon 標準ズームレンズ AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED フルサイズ対応

http://www.nikon-image.com/products/lens/af/fx/zoom/af-s_24-70mmf28g_ed.htm
AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED | ニコンイメージング
 
D3SとAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED。
電池も合わせると2kg強…さすがにこの重さのカメラとレンズだと、相当手首鍛えていても片手持ちは無理そうですw。
そしてAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDは、VR(手ブレ補正)が付いていない。
手ブレ補正無し、三脚無し、補助灯無しだとすると、暗い店内で料理写真撮るのは…高感度あってもかなり大変そう。
 
撮影された写真から予想すると、屋内照明は裸電球を上からぶら下げるスタイルの点光源。
裸電球照明。最近「昭和テイスト」を演出するお店で増えてますが、地味に一眼レフ泣かせの光源です。
赤めの点光源に惑わされて、露光や位相差AFがオートだとずれやすく、見た目の割に実際の光量はありません。
…自分も、先述のワンフェスカフェでの撮影でいろいろ悩まされました(泣)。
 
Korokke  (Japanese style croquette) testshot
参考までに、同じ揚げ物ということで、近所のスーパーで買った総菜コロッケ(2個77円)。
自室のサークラインの常夜灯電球(5w)とPCモニターの灯りで撮影した撮影画像です。
DSC-R1(APS-Cサイズ相当)、ライカ判換算24mm相当のワイド端、絞りF5、ISO感度400相応。
ホワイトバランスオートで撮影したあと、赤味とコントラストと彩度を足し気味に補正したらこんな感じです*1
この写真の撮影時の露光は"15秒"、1/15秒じゃなくて、15秒ですよ!
この明るさで、自室ではつまずかずにトイレに行けるんですから、人間の目の高感度スゲェです。
 
 
そして、唐揚げ写真撮影時のもうひとつの悪条件、レンズはマクロ用ではないズームレンズなので、基本さほど寄れません。
AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDの最短撮影距離は0.38m、約40cm。
ただし、これは焦点距離35-50mm位置の場合という条件付きです。
(FXフォーマットだと、マクロ対応のレンズでも、最短撮影距離は20cm程度じゃないかなぁ…)
 
店内に入って通された席は、写真から察するに、壁際のカウンター席だろうと予想します。
この席だと、料理をテーブルの奥側に置いて被写体との距離を稼いで、撮影後にPCでトリミングするという手も使えません。
実際に撮影画像を確認すると、撮影距離が近すぎるからか、AFが合わせ切れずに奥ピンになってる画像もいくつかあります。
 
コンデジや携帯電話のカメラのユーザーが、「いわゆる一眼レフ」に移行して戸惑うことのひとつが、
普通のレンズだと、被写体数センチとか極端に寄って撮ることができないことです。
携帯電話やコンデジの小さい感光素子だとワイド側だと数センチでの寄りの撮影ができるのに…。
一眼レフやノンレフレックスのカメラだと感光素子が大きく、ピントが浅いボケの大きな写真が撮れるということは、
逆に言えば大きい感光素子ほど深いピントを保つのが大変ということです。
多分、開放気味で撮影したボケ味のきれいな写真が少ないのは、近接撮影での被写界深度を稼ぐためじゃないかなぁ…。
被写体との距離が稼げないとき、高感度or三脚でガリガリに絞って、被写界深度を広げて手前までピンを持ってくる荒技もありますから。
 CMOSが大きくなったことで話題のキヤノンPowershot G1xでも、
従来機G12よりもマクロでの寄り撮影が極端に弱くなったという話を耳にします。
http://thisistanaka.blog66.fc2.com/entry/677/
Photo of the Day クローズアップ撮影できないカメラ
http://thisistanaka.blog66.fc2.com/entry/678/
Photo of the Day キヤノン伝統の「奇妙な仕様」
いわゆる「居酒屋料理写真」などを撮ることが多い人はPowershot G12の方がお勧めかも。
 
 
自分が感心したのは、そういったかなりしんどい条件が重なるコンディションで、
D3SとAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDの組み合わせが、
「なんとか唐揚げだとわかるレベルの画像」を残してること。
乏しい光量・赤色メインの光源で、ホワイトバランス・彩度自動・そして近接ギリギリの条件でしかも三脚もVR無しだと
高感度使えない旧型のフルサイズ機+暗めのレンズだと、ストロボ無しの手持ち撮影すること自体を諦めると思います。
それがとりあえず、それなりに画が撮れちゃうんだから、やはり機材の進歩ってすごいわぁ。
 
…まあ、カメラがそれだけ高性能で、性能の限界域で頑張っていても、
このGigazineの居酒屋の写真は撮影シチュエーション含めいろいろ微妙なのは確かです。
そもそも一般のお客さんが呑んでる居酒屋のカウンター席で、巨大なD3sとでかいレンズ構えて撮影してる時点で、いろいろとひどい。
 
 
こういう場所でのスマートな撮影、レンズが明るくてワイドとマクロと高感度がいけてて、手ブレ補正が強い軽量コンデジの使い勝手が抜群に良いです。
自分だったら、ワイドマクロに滅法強いPowershot S100や、実力派のS95辺りを用意して、グビグビとレモンサワー飲みながら撮影したいところですね。最近の出来の良いコンデジは、撮影するシチュエーション次第では一眼レフよりも断然使い勝手が良いです。
軽くて、液晶を見ながら明るさ調節して撮影できるので仕上がりが予想しやすいですし、
SDカード使えるので、撮った直後に画像をEye-Fiスマホに送信できるのもいいですねぇ。
 
あ〜、深夜に唐揚げ唐揚げ書きながら日記更新していたら、なんだか唐揚げ食べたくなってきました。
明日明後日あたり、話題のこのお店に食べにいこうかなぁ…。
 
追記:
食べてきたレポート書きました
神田で話題の唐揚げ食べ放題居酒屋「有鳥天酒場」で
唐揚げとか唐揚げとか唐揚げとか色々食べて飲んでみた!
ついでに写真も撮ってみたよ!
http://d.hatena.ne.jp/workshop/20120401/p1
 

*1:補正前画像はこちら。あ〜これだと揚げ物の色味もGigazineっぽいわ> http://www.flickr.com/photos/workshop/6850493430/