福岡アジア文化賞・市民フォーラム「未来へのメッセージ 越境の文学世界から」行ってきた。

http://www.city.fukuoka.jp/asiaprize/form17/index.html#shimin
福岡アジア文化賞__第17回授賞式、市民フォーラムのご案内
 
出演者は、
今回の受賞者で、張芸謀さんにによって映画化された
紅いコーリャン」の原作者でもある中国現代文学作家の莫言さん((莫言さんの作品一覧 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8E%AB%E8%A8%80 )、
小説家の津島佑子さんとリービ英雄さん
そして批評家の川村湊さんでした。
 
 創作の源のひとつは、子供時代の「飢えと孤独」だとか、
小説を書き始めた理由のひとつは「毎日3食ギョウザが食べたかった」とか、
少ない食べ物を巡っての人間の尊厳をくずす屈辱的な体験だとか、
実年齢より随分と老けて見えることを驚かれたことに
「いい食事をしてこなかったからねw」とツッコミ返すなど…
今の日本ではなかなか訊くことが出来ない体験談もいろいろ出てきました。
 
 
 また、パネルディスカッションでは、
莫言さんが文化大革命時代を"経過"した後の作家であることから、
文化大革命時代の文学作品(党派文学?)や映画での表現などについても述べられ、
文化大革命時代の作品内での登場人物の描き方に対しても
いくつかコメントをされてました。
 文化大革命時代に発表されている映画や文学作品では、
大抵、主人公は、男女問わず独身だったり、
あるいは恋人ははるか遠方にいたりとかで、
恋愛から(神様のように)離れていて、人間ドラマが書けない設定なんだとか。
莫言さんは、そう前置きした後で、自分にとっての文学とは、
人について書く、人の運命について書くことだと、熱く語ってました。
 
 
「白檀の刑」(上・下)
ISBN:4120034097
ISBN:4120034100
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4120034097/
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