ランダムという意味と、人間の実感の差

完全にランダムなシャッフル再生は可能か(下)
http://hotwired.goo.ne.jp/news/technology/story/20050929307.html
HotWiredJapan
 


 私はこれまで、各種のプログラムが
プレイリストをランダム化していないことが問題だと思っていたのだが、
そうではなかった。
プログラムは実際にランダム化しているのだ。
randomm3uを作った数学者、ジェフ・レイト氏によると、
問題は私の受け止め方にあるという。
はっきり言えば、ランダムとはこうあるべきだという
私の期待にこそ問題があるというのだ。
 
 要点を明確にするため、レイト氏は、
統計学者が「バースデー・パラドックス」と呼ぶ現象を引き合いに出した。
この現象を大まかに説明すると、部屋に無作為に選ばれた23人の人がいる場合、
そのうち少なくとも2人が同じ誕生日である確率は50%を上回るというものだ。
要するに、数学上の無作為と、われわれが直観的に期待する無作為とは、
往々にして矛盾するということだ。
 
 レイト氏によると、われわれが本当に望んでいるのは、
ランダム化されたリストではなく、層化されたリストや、
聴き手の嗜好で重み付けされたカテゴリーに分けられたリストなのだという。
層化されたプレイリストなら、曲はランダムに選出するが、
たとえば、連続する10曲のうちに同じバンドの曲が2曲以上現れないようにするといった
高度な選出が可能になる。
 
 類い希なる偶然と一般の人々が感じるチャンスには、
確率論的には結構高い割合で起こり得るケースもあります。
ただし、その為には「抽選」が可能な限り多く行われるように
人事を尽くして努力する必要もあるのです。