『映画の主人公「山さん」は自民党組織と全くかみ合いません』

http://www.bund.org/2007/07/21060505.html
Bund Web Site:世界が笑ったジャパニーズ選挙スタイル 『選挙』監督想田和弘さんに聞く
 


 映画の主人公「山さん」は自民党組織と全くかみ合いません
 
 山さんは、2005年10月に市議会議員選挙に立候補しました。
 
 この映画は、10月7日から投票日の23日までのわずか2週間で撮影しました。
監督・撮影・録音を兼ねてすべて僕一人で作業しました。
移動用の車もなく、度々山さんの車に同乗させてもらいました。
 
 山さんは学生の頃から自分のことを「山さん」と一人称で呼んでいました。
自由人で変わった人なんです。
僕は山さんが主人公でなければ、この映画は撮らなかったでしょう。
 
 山さんが自民党公認候補として出馬するのはあまりにもミスマッチでした。
僕自身、一体全体どうなるのかと興味があったからこそ撮影したのです。
 
 最初から自民党に順応している人だったら、
何の問題も起こらずスムーズに選挙運動が行われるだけです。
山さんと自民党の人たちがかみ合わず、
互いに違和感があるからこそ様々な出来事が起きるわけです。
 
 自民党にとっては、山さんは異邦人・宇宙人です。
突然宇宙人が入ってくることで、その組織の特徴が浮き彫りになります。
山さんが怒られれば怒られるほど、
怒る側の自民党の戦略や、彼らが大切にしている価値観が表出します。
 
 その典型は、山さんに妻を「家内」と呼ばせ、
なおかつ妻に仕事を辞めるよう促したことです。
「家内」なんて私たちの世代では使わない言葉です。