表参道のBOSE Museum Storeで、BOSE社の新しいディスプレイ、"VideoWave"の視聴体験をしてきました。


http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20101102_404211.html
ボーズ、46型ディスプレイ「VideoWave」発表 -AV Watch
http://www.bose.co.jp/jp_jp?event=VIEW_STATIC_PAGE_EVENT&url=/consumer_audio/videowave/videowave.jsp
VideoWave 製品概要
 
 表参道駅に美術イベント「ULTRA 003」*1を観に行ったついでに、
BOSEの期間限定ショールームBose Museum Store」*2の新型ディスプレイイベントに寄ってきました。
 
 最初に結論を言えば、
やっぱりBOSEの技術力すげぇ特に音技術がすごい!
…そして46型ディスプレイとしてはかなり値段が高いです。
なにせ、価格は682,500円(送料・設置・セッティング料金込み)。
話題になった100万円CELL REGZA程ではありませんが、46型としてはやっぱり高い。
しかも、これだけだとTV映らないのに。


なお、製品にはチューナが内蔵されておらず、
BDプレーヤーなどの映像を表示するためのディスプレイとなる。
そのため、テレビを見る場合は別途接続するBDレコーダなどのチューナを使う必要がある。

http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20101102_404211.html

しかし、この値段でも需要はありそうです理由は後ほど。
 
 
 表参道の"VideoWave"の体験ルームは30席弱の広さ。日本の普通のマンションのリビングよりは広いくらいかな。
視聴室中央ちょっと高い位置に壁掛け設置されたVideoWaveを体験したのですが…
視聴室に入るのが少し遅くて、視聴席の奥の方に座ってしまいました。
あ〜この位置って、中央前に比べるとサラウンド感が弱くなってしまうんだよなぁ。
 
 で、試聴体験。
期待の低音はテレビのちょっと下あたりから「ぐわっ」と出てきます。
このディスプレイのハコの容積を考えると、圧倒的な量感!すごいです。
急ごしらえの視聴室もビリビリと音を立ててました…。
(夜中に映画を観るときは、ボリュームにかなり気を使う必要がありそうです…)
据え置きで設置するときは、オーディオ的にかなりしっかりしたTV台を用意しないといけませんね。
 
 中高音域は、心地よく、わかりやすく広がっていく感じ。
内蔵のセンター+サイドスピーカーということで想像していた
真っ正面からバーンと音が押し寄せる感じというよりは、
中央のすこし上が音の出る基準位置になっている。
音の出方としては、空間全体をうまいこと鳴らして包み込んでいく感じです。
「少し上から覆ってくる感じで、けど指向性がある音」っていうのかな。
 
 バーチャルサラウンド生成の鍵になる高音域(ツゥイーター)は
センター下1個所と、横向きのかなり長いホーンを介して出てくる左右1つずつの計3個所。
特に左右のツゥイーターはかなり指向性が高そうなのと、
中央下にあるセンターツゥイーターと3角形を作ってうまく協調することで、
バーチャルサラウンド感の演出に貢献していると思われます。
 
 スピーカーシステムとしては低域・中域・高域の出てくる場所や方向が見事にバラバラなのですが
遠距離で映像を観ている間は、よほど注意深くならないとスピーカー位置のずれは気になりませんでした。
一枚の板から全体に音が出ていると思いこめば、結構信じ込めるレベル。
(画面にかじりついて観る人だと、音の出方に少し違和感を感じるかもしれません。)
 
 
 会場デモのもうひとつの目玉が、専用の「クリックパッドリモコン」。
リモコンの動作は…え〜と、とりあえずAVwatchの記事を見ればわかりやすさに驚きます。
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20101102_404211.html
エレガント!そして、日本の家電メーカー全社のリモコンが一気に過去に置いて行かれました。
 
 このリモコン、BOSEのVideoWaveのリモコンとしてだけでなく、
接続されている他社レコーダーやiPodなどの簡易コントロールも可能です。
しかも、リモコンの操作は基本「TV画面を見ながら」行いますから、
今までのリモコン操作に比べて映像視聴時の視点の移動がとても少なくていい。
(手元に視線を動かさなくていいのは、老眼持ってる人にはとても嬉しい配慮です。)
 
 去年一昨年辺りから、TVのリモコンUIの革新が次世代TV戦争の鍵のひとつになると言われていて、
今年はiPodiPadを利用したリモコンアプリがTV・レコーダーメーカーから色々リリースされてますが、
このVideoWaveのリモコンは、液晶すら付いてないのに、使い勝手でかなりいい線行ってます。
商品を世界販売するにあたってもリモコンの種類は世界共通1種類だけでOK。
いや〜よく考えられています。
 
 
 ところで、映像の画質に関してですが
…う〜ん…60万円のディスプレイとしては、日本の最先端の液晶TVと比べるとちときついかも。
とりあえず、暗所でデモ映像を少し見ただけでも黒浮きがはっきりわかりました。
 明るい場所や直接照明の空間で体感するには問題ないでしょうが、
部屋を真っ暗にして映画を見るような人にはお勧めできないかも。
 
 試聴終了後にひとつ気になるのが「VideoWave本体の振動」と「排熱」。
稼働中のVideoWaveの表面を触ることができなかったのですが、
VideoWave内蔵ウーハーユニットやミッドレンジユニットからこれだけ大きな低音が出ていると、
当然ながら、その音圧で、VideoWave筐体や映像を表示する液晶や電子部品も振動でビリビリと揺れるはずですし、
これだけの音量をだすとデジタルアンプでも熱周りは気になるところ。
 特に、本体の振動は遠く離れて見ているぶんにはよくわからなかったのですが…
実際に映画などを視聴するときには画面のビビリはどうなんだろう?と気になりました。
 まあ、スタンド込みで48.1kg(注:コンソールユニットは別体)とかなり重い本体なので、
結果的に全体の制震もしっかりしてくるのかな?と思います。
そうそう、本体は48Kgと激しく重いので、こいつを壁掛けするにはかなり覚悟が必要です。
 
 
 使われているテクノロジーや新しいUIは最先端で、かなり考えられています。
テレビ好き、オーディオ好きの人で、都内にお住まいの方はぜひ一度体験してみることをお薦めします。
体験されるときは表参道の「Bose Museum Store」がお薦めです、ちょっとしたサプライズがありますよ。
 
 
 で、682,500円(送料・設置・セッティング料金込み)。誰が買うの?

 個人需要として考えると、音は抜群だけど、この価格帯で「画質」を考えると少し苦しいと思います。
私自身が買うなら、お買い得な大画面TVを単品で買って、それに作りのいいテレビ台と
ヤマハのバーチャルサラウンドシステム YSP-5100 と ウーハー YST-FSW150 を組み合わせると思います。

ヤマハ サブウーファー YST-FSW150 (1台) A-YSTII方式 ブラック YST-FSW150(B)

ヤマハ サブウーファー YST-FSW150 (1台) A-YSTII方式 ブラック YST-FSW150(B)

 
  
 法人向けと考えるとVideoWaveの需要は結構ありそうな予感があります。
 
 例えば、高級ホテルのスゥィートルームや、デザイナーズホテルに設置するのはアリだと思います。
大画面の高級テレビは、高級ホテルの差別化要素として使われることも多く*3
ここ最近だと、パナソニックの大画面3Dテレビが体験できる部屋ができたことも話題になりました。
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20100423_363390.html
ホテル阪急インターナショナル、3D対応VIERAを客室導入 -AV Watch
http://journal.mycom.co.jp/news/2010/06/22/052/index.html
パナソニック 3Dテレビ「VIERA」を泊まって体験するプランが登場 マイコミジャーナル
 
 BOSEのVideoWaveは、最先端の3DTVほどの話題性はありませんが、
驚きを提供するバーチャルサラウンド機器としては、とてもシンプルな設置が可能で、
リモコン含めたUI操作がとても「目新しくて、そしてわかりやすい」。
海外からのお客様も含めて、このTVを初めて操作する人も操作に戸惑うことが少ないかと思います。
様々なハイテクガジェットに目が慣れた人々からも「BOSEのディスプレイ」ということで関心を引けそうです。
 
 わたしがVideoWaveを買うことはまず無いかなと思いますが、
これからのTVまわりのつくりを考える上で、とてもいい経験をさせて頂きました。
BOSEさんありがとうございました。