GEISAI#14に行っていろいろ撮ってきた(ちょっと追記した)

postpoppers : "Let's EDIT tsukasa" livepainting at GEISAI #14
ポストポッパーズの「つかさをつくろう!」(部分)
 
http://www.geisai.net/
GEISAI
 GEISAI初体験してきました。
色々評判は聞いていたり、写真持って出るといいかもよと薦められたりしていたのですが、
まずは一度下見してからということで…。
Geisai #14 
 会場は、コミケも開かれる東京ビッグサイト、東1ホール。
 東方project即売会最大のイベント、博麗神社例大祭*1と重なってて、
ビッグサイト東館は色々結構カオスになってたのですが…GEISAIはそうでもなかった。
美術館よりは賑わってるけど、普通に人が余裕で歩けるレベル。

Geisai
GEISAI最大の特徴は、審査員が優秀作品を選出するコンテスト形式だということ。
取材クルーを引き連れた審査員が会場をねり歩き、その場で優秀作品を選び出します。
 今回はダミアン・ハースト(間違えましたスマソ)ジェフ・クーンズが審査に参加するという触れ込みだったのですが…残念ながら突然の来日中止に。
 
Let's EDIT Tsukasa!
 今回の最大の目当ては、ポストポッパーズの「つかさをつくろう!」の撮影。
http://postpoppers.web.fc2.com/


『つかさをつくろう!』

「つかさ」とは2008年、漫画・アニメ共に大ヒットした「らき☆すた」登場人物の「柊つかさ」です。
「つかさ」はそのぽわぽわとしたキャラクターと「らき☆すた」に見られるデフォルメも手伝い、
二次創作中では大きく形を崩され描かれることがありました。
 
ニコニコ動画でも「らき☆すた」は多くのMAD作品が作られ、
つかさの映像を素材として使った作品・つかさを
サイケデリックにデフォルメして使用する作品には「つかさ症候群」というタグが付くほどでした。
 
それほど、つかさの記号性には多くの創作者が刺激されたのです。
 
今回のGEISAIではその「つかさ」を、日本のアニメ消費文化と創作(美術)の接点としてとらえ、
「つかさの頭部の形状をしたもの」終着点としたライブアクションの展開を考えています。


http://d.hatena.ne.jp/lie_fujishiro/20100314/1268586097
GEISAIありのまままとめ(時系列半無視) - ダストポップ

会場には12時半過ぎに行ったのですが…う〜ん、確かにつかさだけど…
Lets EDIT Tsukasa ! (Ichirinsha paint work)
Kagamikku! the painter
色は確かに、つかさしてるみたい。また後で来よう。
 
 ということで場内散策。目に付いたモノからチェックしていきました。
 
This image is too small, that image is too large" from this distance imaged by Maki Abramovic
Maki Abramovicさんの「人は像に用があるとのこと」
ルーペで覗き込んでようやく像の輪郭がつかめてくる(CMYKの点は見えない)1000線の微細印刷で作られた数百枚の写真と、
RGBのサブピクセルが見えるまでに超巨大化されたな写真を同位置に展示した作品。
詳しい展示内容と作者の感想はblogに書かれているのでチェック。
GEISAI#14:東京芸術史
http://tokyoartvillage.blog36.fc2.com/blog-entry-393.html
 
 冬コミでラブラブプラスモードiLLを作ったとき、
http://d.hatena.ne.jp/workshop/20100128/p3
液晶モニタのサブピクセルの見せ方には結構こだわったけど、
逆に複数の画像をここまで微細化するという方向は考えませんでした。面白い。
ちなみに、1000線の微細カラー「印刷」の料金は…うわぁ、高いなぁという印象。
 
 微細化した映像を見せる作品としては、
今年の文化庁メディア芸術祭で受賞している魚住剛さんの『F - void sample』があって、
プロジェクタ用の小型で超高精細な液晶が民生品にも降りてきてるので、
これからいろいろこの辺を使った展示は流行ってきそうな予感がします。
http://plaza.bunka.go.jp/festival/2009/art/001217/
http://gohuozumi.com/projects/F/index.html
http://media-arts.cocolog-nifty.com/map2009/2010/02/f---void-sample.html
 
Noriyuki Sato :A Cat doll
佐藤法幸さんのとてもリアルな猫の人形。
 

Ari Takagi : connect 1
高木亜麗さんの、認知症でほとんど動かなくなった祖父を題材にした3つの写真。
重くて深くて、そしてやっぱり写真してます。
http://arinco903.exblog.jp/
高木亜麗とブログ
http://www.mirutuna.com/
BankART school | 飯沢耕太郎ゼミ写真展「みる、つなぐ、ひらく」
(3月23日〜4月4日@BankArt Sutudio NYK(横浜)) 
 

Photos by Masatoshi Yanagimachi
柳町匡俊さんの作品
 過去にトーテムポールギャラリーの個展を見て、なんとなく印象が残ってました。
中判カメラで撮影された、少し暗くて毒味が仕掛けてあって、引っかかりがある、独特の味があるプリントの写真。
ブックや額装もちょっと普通の写真とは違う感じに仕立ててあります。
 今は尾仲浩二さんの街道塾に参加しているみたい、なるほどと納得。
 
Hiroaki Ito : an original figure
伊藤大朗さんの「an original figure」
日本人に固有の「しぐさ」を、ものすごく大きなサイズで、ちょっと皮肉っぽい視点で描いている。
少し緑色っぽいスーツと、Yシャツと白バックのコントラストがいい。
 
"Google Google" by Otona-vision
 大人ビジョンの「Google-Google」。
 Re:スーパーフラットということで、
オリジナルとコピー・様々な画像の等価値性などを
googleの検索ランキングの介して表現した作品ということでしたが、
検索エンジンの成り立ち方や、google検索避けとしてのmixiやpixivなどの台頭、
検索と政治(国家)の微妙な関係や、検索結果と道徳、google検索と広告の関係、
お金と"ポルノグラフィー"とイコンの関係など、まだまだ色々煮詰められる。
面白いところに目を付けていると思うし、若い二人なので、これからに期待。
 あと、とりあえずblogかtumblrを作って欲しいなぁ…。
 
Paint and CG image works by ARiKEM
ARiKEMさんの作品たち。
http://www.pixiv.net/member.php?id=273528
「ARiKEM」のプロフィール [pixiv]
 
 タイトルには「現在時刻」が入るそうです。
 常にうつろい変わっていくということをコンセプトにした作品群は、
重みのある巨大な抽象画と、おそらくお店で売ってるそのまんまのホログラムの紙と
対照的に、異様にペラい印象を与えるつやつや光沢紙にプリントされたCG作品と、
椅子に座った謎のぬいぐるみw(作者のマスコットキャラクターらしいです)。
 
 この描き方展示方法で真っ先に連想した梅ラボさんとは知り合いだそうで、
今回の展示も梅ラボさんの作品もかなり強く意識・分析して、いろいろ仕込んだとか。
Paint by ARiKEM
Paint and CG image works by ARiKEM
edge of Paint by ARiKEM
 なるほど、確かに梅ラボさんの作品をよく観て、そこにARiKEMさん独自の味やひねりを加えてある。
抽象画のクオリティもかなり高いし、梅ラボさんは発表しそうもない傍系へしっかり足を進めていってます。
オマージュというか、梅ラボさんの作風の2次創作というべきなのかな。見事です。
 
 ARiKEMさんのブースではひっそりと東方projectな画集「幻想弾幕劇物図画集」も販売されていて…
http://danmaku.akazunoma.com/index.html
博麗神社例大祭GEISAIで全く同じ作品集を販売するという素晴らしいリンクが仕掛けられていました。
(梅ラボさんとARiKEMさん、この画集に双方が掲載されています)
いや〜ここには、色々と連鎖仕掛けが重ねられていて、面白かった。
 
Ryota Sato's silkscreen works.
佐藤亮太さんのシルクスクリーン作品
http://www.microtanks.net/
佐藤亮太 /ryota sato/ microtanks.net
 甲殻類や文様のような見た目の、直線と曲線が組み合わされたひとつの版を
何十回と色を変えながら重ねて刷り上げた作品は、
観ているとパターンの流れに吸い込まれていくような感じに。
色使いの絶妙さとインクの厚さの微細な積み重ねから生じる段差が目に心地よい。
 
Chika Tanikawa pictures
http://www.chikatanikawa.com/
chika tanikawa
谷川千佳さんの作品。一番奥の作品の、肌と背景の赤みの発色が出色の出来。
夢で観た光景を絵画で再現しているということですが…こんな発色の夢なら私も観てみたい。
発色がいいポストカードやサンプル集があったら、多分即買いしてた…。
 
"Shounen Shouji" by Shouji Takuya
 庄司拓弥さんの「少年ショウジ」
http://www.m-kagaku.co.jp/mcjda/award2009/awd01_det04.html
MITSUBISHI CHEMICAL JUNIOR DESIGNER AWARD
 絵柄が、すべてスワロフスキーでできてるんですよ、そして色々ネアカw!
作品を熱心に紹介していた作者もやたらパワフルで、面白かった。
ダミアン・ハースト(間違えてましたスマソ)ジェフ・クーンズが審査員として来日していれば、かなり面白かったのに…。
 
An installation art by Miu Sakai
酒井美宇さんの「あそこの棚にしょうゆがあるからちょっととってきて。」
http://mcrpp.jugem.jp/
紅あずま99円
 GEISAIのような半開放で賑やかしぃな空間で、
このような静かなタイプのインスタレーションはやり辛そうでしたが、
丁寧に作られた展示ブースは独特の雰囲気を会場で漂わせていました。
じっくり眺めていると、ふとした瞬間に、なにか入ってくる感じ。
個展やグループ展で観てみたいなぁ…。
 

Ai Fujiwara : "Photo Art Tie"
藤原愛さんの「フォトアートタイ」
http://sanko-acp.com/ai/index.html
Photo Art Tie
http://www.communication-necktie.com/
コミュニケーションネクタイ オリジナルで1本から作れるネクタイ
 コム・デ・ギャルソンなどのインクジェットプリントされたシャツはありますが、
このネクタイの最大の特徴は高精細で鮮やかな発色の写真がそのままプリントできること。
過去に、TVや雑誌、新聞でも取りあげられて話題になった商品です。
薔薇の花や、蓮の花のネクタイはポールスミスで出てきそうなデザイン。
 
 一本5800円+送料500円で、一本から納期2週間で作れるということなので、
オリジナルデザインの痛ネクタイを作ることも可能です。
ありきたりの痛グッズに飽き足らない皆さん、どうでしょうか?
 
Misako Fujii : "Grid to know faceline of human"
藤井美沙子:人間の輪郭を知る為の格子
 
Küki : Pavane pour une infante défunte
Küki : 亡き女王のためのパバーヌ
 こういうイカしたバッドテイストの、洒落たデザインセンスの作品は、
GEISAIでもありそうで意外と見つかりませんでした。
こういうのは、デザインフェスタの方が多いかも知れないなぁ。
 
Mr. CHAN TZU-FENG
 GEISAI台湾での受賞者、CHAN TZU-FENGさんの写真作品。
http://www.flickr.com/photos/tasyo1976/
Flickr: 青鳥's Photostream
http://s264.photobucket.com/home/tasyo_2008/allalbums
All tasyo_2008's Albums
 
GEISAI#14では、GEISAI台湾で優秀賞を取った作品も数多く展示されてました。
作品クオリティがかなり高く、特に写真作品の質には驚かされました。
もうひとり、LIN CHIH-YUさんのモノクローム作品も良かった。
 
Tomohiro Mori's painting
 森智弘さんの絵画作品。「ぜひ触って、触感を確かめて下さい」とのこと。
溶かした着色アクリル?を大きなカンバスの上にグリッド状に規則正しく並べた作品。
こうやって触ってると、絵の具?の表面のつぶつぶの触感が心地よく、なんだか心が安らいできます。
光の反射も心地よく、アンビエントハウスのような印象を持った作品でした。
 
 そうそう、この展示を観ているとき、作品のひとつが「目の前で買われていきました」。
GEISAIでは、観客に美術コレクターも多く混ざっていて、作品の多くは「その場」で購入可能だったり。
 
odc∞cm (Odeco 8cm)
odc∞cm (Odeco 8cm)
odc∞cmの「"DOYAGAO" of the ALL CENTURIES」
http://odc8cm.seesaa.net/
 ドヤ顔と呼ばれる、営業用の圧迫感あふれる顔でキメた作品w。
多分、プリクラの美顔モードか、フォトショップ能力全開で目力グッとアップと美肌処理してる。
ブースを斜めにグッと使って「見得を切った」展示は、見せ方のハイセンスさとドヤ顔のギャップが面白い。
 
 
 大体ブース全体をじっくり眺めながらひとつひとつ巡ると、最後まで巡って4時間程度。
この作品を全部審査する人は大変だろうなぁ…と思いながら
ポストポッパーズのブースへ戻ってきたら…おお、すごい盛り上がり!
Let's EDIT Tsukasa!
現場のあらゆるものに追加のペイントが施されて、まさにカオス状態!
Let's EDIT Tsukasa!
 そして、全ての元キャラが絵の具やポスカで「らきすた色」に上書き加工されています。
じわじわと、あらゆるものがつかさカラーに侵食されていく世界。
Let's EDIT Tsukasa!
嘘さんは…あれ何読んでるんですかw。
Painters, a DJ(mixer) and Re-Editers!
 博麗神社例大祭から流れてきた人達や、他のブースで展示していた人々も作品持ち込みで合流して、
ものすごい速度でつかさを描き始めたり、junkMAさんはいきなりPCDJミキサー出してきてmix開始したり、
参加者のパフォーマンスが比較的大人しいGEISAIでも、
このブース"だけ"はやりたい描き放題作り放題の治外法権状態w。勢いが全く違う!

Let's EDIT Tsukasa!
odc∞cmの作品、とうぜん、ここだと、つかさ加工されています。
 
 私も負けじと、もの凄い勢いで、アングル色々探りながら撮影していきますが
…いかんここ数日の不摂生がたたって風邪ひいたかも(泣)。
Let's EDIT Tsukasa!
 なんかステージ上ではGEISAI大賞とか色々発表されてるみたいだけど、
あまり気にせず、つかさを描く描く描く!
 
Let's EDIT Tsukasa!
雑誌グラビアのつや有り印刷紙の上に絵を描くときはポスカが大活躍。
 
Let's EDIT Tsukasa!
 赤いセーラー服になると、一気につかさらしくなる。
 
Let's EDIT Tsukasa!
Let's EDIT Tsukasa!
 とても、つかさらしい光景…なのかなぁ?どうなんだろ?
この辺のギリギリ具合が上級者向けMADっぽい感じ。
 
Let's EDIT Tsukasa!
MEGAMIマガジンのグラビア画像がものすごい勢いで増殖・解体していきます。
 
Let's EDIT Tsukasa!
かなりカオス。
Let's EDIT Tsukasa!
15歳以上推奨な発言するつかさ。
 
Let's EDIT Tsukasa! ( lie_ Plays beatmania on PSP)
この熱狂ブースの中で突然ビーマニDJ MAXを始める嘘さんw。*2
 
Let's EDIT Tsukasa!
 なんかいろいろ盛り上がったけど、午後6時でタイムアップ。GEISAI終了。
オワタ、そして撤収作業開始です&数々のすごいブツが…。
 
Let's EDIT Tsukasa!
Let's EDIT Tsukasa!
Let's EDIT Tsukasa!
Let's EDIT Tsukasa!
Let's EDIT Tsukasa!
Let's EDIT Tsukasa!
Shiroi Kuroko and Misaka Mikoto.
Let's EDIT Tsukasa!
 
GEISAI #14 finished.
 GEISAIメインブース付近も撤収中。
 
Let's EDIT Tsukasa!
そして、ブルーシートがふたたび晒される…。
 
関連するかもリンク:
http://d.hatena.ne.jp/si_ku/20100315/1268677955
つかさをつくろう! - Speaker, Pencil, Pillow
 
http://blog.artmw.net/2010/03/geisaiby-taisy.html
GEISAI感想 ポストポッパーズバージョン by Taisy:ArtMW
 

*1:http://www.reitaisai.com/

*2:嘘さんからの詳しい解説:「DJ MAXという韓国の音楽ゲームです。もともとはネトゲだったのですがPSP版で発売され、韓国ではPSPソフトの中でもダントツの売れ行きだったようで。日本ではKONAMI(BEMANI)が厳しいので輸入ショップを探すしかないです。」