竹内一郎サントリー学芸賞受賞問題の〈起源〉

http://d.hatena.ne.jp/hrhtm1970/20061121
宮本大人のミヤモメモ
 


 要するに、この問題は、今日の大学行政のひずみの産物が、
サブカルチャー研究のアカデミズムへの浸透の過渡期において、
過渡期であるがゆえにあちこちに生じている評価軸のズレ・落差の隙間を
潜り抜けることで、起こったということができるでしょう。
 
 したがって、これは、本当に、
今、あえて従来の人文社会科学の枠を越えて、
新たな対象を扱おうとしている大学であれば、
どこで起こってもおかしくない問題だと言えるのであり、
やはり、「責任者出て来い」と言っていればいいものではない。
むしろ、アカデミズムのありようを内側から変えたいと思っている人間全てが、
わがこととして引き受けるべき問題であろうと思います。
 
(中略)
ただ、願わくば、そのうちの誰か一人でも、
「これは違うんじゃないか?」という声を上げていただきたかった、
ということであり、それがかなわなかった以上、
この本が出た時点で、私や他のマンガ研究者が、
もっと大きく声を上げて批判しておくべきだったと
後悔している、ということです。