写真新世紀観てきました@福岡アジア美術館

キヤノン写真新世紀
http://www.canon.co.jp/scsa/newcosmos/news/20060125.html#03
 今年は、昨年よりも不思議な年かもしれない。
 
 荒木経惟さんが選んだ、小澤亜希子さんの
グランプリ作品の展示品、私はいまいちわからないです。
 
 なんか雑誌っぽいというか、「壁に飾る写真」じゃない感じが強くある。
 これ、展示の都合上パネルにしたのは明らかに失敗だと思います。
元のブック(ルーズリーフのような感じ)のままで見た方が絶対いいだろうなぁ。
 
 優秀賞の西野壮平さんの作品は、確かに写真しているけど、
なんか作品に対する気負いが凄く強くて、そしてその気負いがとても怖い。
(写真特有の「軽さ・他者性」を感じないという意味では凄い。)
写されていない部分、撮らない部分について、色々聞いてみたい。
 
 蜷川実花さんが選んだ、新垣尚香さんの作品、これ、私は好きです。
今時の写真特有の、微妙な接触自の距離感をわかってる感じ。
被写体に対して、「この人を色々と撮りたい」って感じは伝わってくるし、
数枚の写真を観た時、その写真を観ている私も、思わず声をあげてしまった。
そして、なぜか、沖縄って場所を深く意識しますし、
今の時代だからこそ撮れる写真という意味でも、いい作品だと思います。
今私が居る場所が、福岡だからこういうことを意識するのかなぁ…。
 
 森山大道さんが選んだ、梶岡禄仙さんの作品は、
スナップとして相当クオリティが高い。集大成っぽい。
けど、なんか、自分的には、集まった写真の集合として観たら、
なぜか、さほどグッとこないし、努力賞って感じもする。
(1枚1枚を、モニター上で観ると、それなりに結構くるんだけどなぁ。)
これ、体験した時代の差なのかなあ…。
 
 とくたはじめさんの作品は…相当、いい。
けど、私の語れるジャンルの写真ではないです。
 
 林口哲也+松村康平さんの作品は
…う〜ん、クオリティは高い(特に大きさや仕上げ)、
コンセプトもアリはあり、けど、次に続くのかなぁ。
「現状報告」としてなら、これはこれで全然アリだと思いますが、
そう考えると、けど、なんか、「2年前って感じ」がするんだよなぁ…。
(追記:この「2年前って感じ」ってのは、翌日もう一度観たらグッと変わりました。
詳しくは、
http://d.hatena.ne.jp/workshop/20060428/p5
に書いてあります。
作品を観るときの勘どころが、全然違った(反省)。) 

 
 で、今年凄かったのは、昨年度の受賞者の作品展。
どちらも、写真していて、写真以上で、素晴らしいです。
特に、滝口浩史さんの「つづれおり」には相当グッと来ました。