東京大学のゲーム研究プロジェクト定例研究会に行ってきた感想を。

 東京大学のゲーム研究プロジェクト定例研究会に行ってきました。
「いかにして人は主人公になるのか −アイデンティティの市場化とジェンダー*1
という題目で行われた発表は、私の予想した展開とは異なりましたが*2
永田えりこさん自身のゲーム体験から生じたゲーム内でのジェンダーロールに起因する違和感を元に話をされ、
その話は主人公の人格化の失敗に関する実感を共有させるには十分有効な発表でした。

 そして、最後には、プレイヤー(購入者)の手によるゲーム内シナリオの"改変"という話題に踏み込み、
参加者全員によるディスカッションではPALによるデータ改変や、
北欧を中心としたメガデモに関する話題や、FPSのmodやツクール系ソフトなど、
かなり面白い展開へと議論は拡張(暴走?)していき、
それに、TVゲームビジネスやクリエイティブ・コモンズが絡んでいく展開は
私にとっては非常に興味深い物でした。
 最後に、ちょっと自分がジェンダーセクシャリティに絡めた質問をしたのは
あの議論の中では少し浮いていたかもと反省しています。
 
 しかし、wiz初代(PC版)でのスペルミスで呪文の詠唱失敗するなんて話や
バイト代をゲームセンターに注ぎ込んだ話は
現在の20代前半の学生には実感として掴めないのではと不安になりつつも
個人的にはかなりウケましたし、
ジェンダー問題が、物語化の失敗の典型的サンプルになるという永田さんの指摘には
まったくもって同意しますし、
「日本のTVゲームプレイヤーはゲーム内で誉められるのに慣れすぎている」という
ある参加者の発言は、私にとって実感のある言葉でしたし、
ディスカッション終了後に色々と東大ゲーム研究プロジェクトの学生さんに聞いた話も面白いものでした。

*1:詳細はこちら、http://d.hatena.ne.jp/workshop/20040310#p1

*2:私自身がジェンダーセクシャリティ関係の専攻でかなり突っ込んだ"空中戦"を勝手に期待していた