東京都青少年健全育成条例(6)都民主党はなぜ賛成したか

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河合幹雄の発言のブログ


石原慎太郎都知事の狙いが、マンガたたきではないことは間違いない。
本人のスキャンダラスな作品を見ての想像ではない。
政治的に、何が起きたのか、ひとつの推論が成り立つ。

石原の狙いは、再選。
状況は、3月都知事選と区議会選挙、
都議会は任期が残り二年で、現在自公は過半数を取れていない。
何か理由をつけて解散させれば民主党議席減は確実である。

再選のためには得意のポピュリズム分野での一発逆転が必要である。
マンガ規制に民主党が反対すれば、それを理由に議会解散すればよい。
(略)
都議会で、民主党過半数を切り、自公は過半数を取り戻せば、
その恩返しとしての再選の可能性が開けてくる。
 
このように状況理解すれば、民主首脳が避けるべきは、
都民に誤解されたままのこの条例をきっかけに解散されることである。
そもそも、民主党への追い風がやんでいるだけでも都議員選挙で民主党が多数通ることはむずかしいのだ。
(略)
民主党に否決させたかったとしか理解できない動きであった。
付帯決議は、さすがに解散の理由には無理なレベルでカッコがつけられる内容となっている。

出版物のことを十分に理解していない都議員は少なくないかもしれないが、
都知事選が迫っていることがわかっていない者はいない。
猪瀬副知事の発言も、都知事になれるかもしれないと目がくらんでいるとすれば、なるほどである。
(略)
反対派で尽力した都議員も、自分達が解散されて落選するから賛成したという理由は支援者に伝えられない。

 
 この推測が正しいとすると…ちょっとひどい出来事だなぁ。
 
 今回、民主党が、政治的な意図があって反対に乗らなかったことで、
石原都知事によるマイノリティに対しての言われ無き攻撃
(それも、政治的には決して反撃されないであろう問題発言ゴロゴロ含めて)が
これからいろいろ激化することが容易に予想される。
 
これから予想されるのは、ちょっと、じゃなくて、ひどい出来事だなぁ…。