お盆の暑いさなかに、YCAM(山口情報芸術センター)の、中谷芙二子+高谷史郎「CLOUD FOREST」行ってきた。おすすめ。

Fujiko Nakaya "fog sculptures" at YCAM, Yamaguchi city, Japan
残暑キビシイこの季節、とてもお薦めの展示です。
 


(略)
人工霧、太陽光、サウンドが組み合わさり、
独自の装置と天候の変化によって様々な情景や空間が生み出されるインスタレーションです。
観客は、中庭や公園に広がる霧の中を歩きながら、
情報技術を駆使した作品と対話し、自らの知覚の変容を体感することができます。
本展では、その発想の一端となった1970年の大阪万博における
アートと科学の先見的なプロジェクトの紹介・再評価も交え、
環境創造の未来とこれからの「情報圏」、
そしてアートによる創造的な探索のあり方について考えます。
 
http://www.ycam.jp/art/2010/03/-inter-environment.html
YCAM 山口情報芸術センター
 こんなこと書いてあるの全く意識しなかったけど、
とにかく他に類を見ない非日常感抜群の展示で楽しかった。
 
Fujiko Nakaya "fog sculptures" at YCAM, Yamaguchi city, Japan
中庭で展示されていた人口霧の作品、上から見るとこんな感じでちょっともやっとしてるくらい。
しかし、広場の中に行って体感すると、いままでにない異世界
 
Fujiko Nakaya "fog sculptures" at YCAM, Yamaguchi city, Japan
水を高圧噴射することで作られた、前方1mすら見えなくなるほどの、濃い人工霧の世界。
 
 スタッフの方の話を伺うと、
風の無い日には、この濃い霧がずっと上空に立ちのぼっていく様子が見られるのだとか。
つまり、地上にいながら、入道雲の中にいるような光景が味わえるわけですよ、バーチャルジェットストリーム
 
 大人たちの多くはこの光景に少し戸惑って遠巻きに眺めていて、
逆に子どもたちは大はしゃぎでかくれんぼ&鬼ごっこしています。
霧で衣類は濡れるのだけど、実はあまり涼しくはない、
けど気分だけは涼しげになるのでちょっと不思議。
 
撮影後は服や持ち物がしっとり濡れてしまうので、装備品は防水防滴対策していくことをお薦めします。
 
Fujiko Nakaya "fog sculptures" at YCAM, Yamaguchi city, Japan
 
 中庭の展示は、上空から霧を降らせて湿度100%(!)の空間を作り、
雨上がりの靄がかかる森林のような状態を再現した場所に、電子音を流したもの。
この湿度、防水カメラでないと確実に電子機材が壊れるので中の様子は撮影していません。
ここまで極端に湿度が高くて視界がわるいと、音の通り方や人間の皮膚感覚がいろいろ壊れてきて、
長時間滞在しているといろいろと頭の具合や気分や平衡感覚までもがおかしくなってくる。
激しく雨が降った山で遭難して死亡する時って、こんな状態になのかなぁ…と怖くなりました。
 
 
 ロビーでは、クルクルと回転する狭指向性スピーカーの列から
パルス音やサイン派や環境音をサンプリングした音が流れてきて
いろいろ音が移動してました…が、なんか押しが弱い感じ。
もう少し大規模に、広い空間&暗い部屋でやれば、もっといい展示になるのではと感じました。
 上のだだっぴろい空間で映像展示していたけど、本来あの部屋で展示予定だったのが
音響などの諸般の事情でロビー展示に変更されたのかもしれないなぁ…。