中古販売実質容認報道の罠

http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0603/27/news017.html
ITmedia +D LifeStyle:小寺信良
 
 小寺さんが取りあげてます。
前回の小寺さんのエントリーよりは随分同意できる内容。
 


 仮に販売店に善意がなく、PSEマークを最終的に貼らないつもりであっても、
販売する前提としてはあとで検査してPSEマークを貼る約束をしなければならない。
つまり、中古販売でも結局はPSEマークを付けるという前提が壊れていない限り、
やっぱり中古販売業者は製造業者としての届け出をして、
製造業者にならなければならないのである。
 
電器製品を扱う中古販売業者は、全国に30万件あるとされている。
この事業者がこの措置に則って4月1日からも営業を続けようとすると、
この1週間の間で製造業者がいっぺんに30万件も増えることになる。
 
 こんな国があるか。
 法ってのは運用次第ではそういう風になるものなんですよ。
 
 っていうか、こりゃここまでへんてこな展開になってしまうと、
どこかで裁判するなりして白黒つけるしかない気がする。
4月1日だと、エイプリールフール扱いされるのでw、4月2日に。
 
 
 けど、裁判したお陰で予想も付かない展開になってしまうことってのもあるんだよなぁ。
 やぶへびじゃないけど、法律を専門家がきちんと解釈すると
なんか予想の斜め上をいく展開に「なってしまう」って事があります。
 
 昔、一度リンクしたけど、リンク再掲。

そもそもこの裁判は、
誰も「公園への住民票転入手続きが認められる」なんて結末を
予想もしていなかったのだ。
法制度の矛盾を利用して弾圧を仕掛けてきた大阪府警に対して、
その法制度の矛盾そのものを法廷に持ち込む事で対抗しようとしたにすぎない。
大阪府警がやった事は、「どうみても現住住所に住民票を置いていない人」に対して、
「それは犯罪だ」と言ったのである。
そうであれば、すべての野宿者は「潜在的に犯罪者」であり、
いつでも警察の思いつきで弾圧する事ができる事になる。
そんなアホな話があるか、というので起こされたのがこの裁判なのであり、
これによって大阪府警の、「住民票は現住住所に置く」という原則を利用した
悪行が是正されるとよいと考えられたわけである。
 
ところが、驚くべき事に、是正されたのは行政の方だったのだ。
「現に住んでいる公園で住民票を受け付けないのはけしからん」
という話になってしまったのだ。
 
ややこしい事になったのはおわかりだろうか?
こういう判決が出ちゃった以上、
野宿者は住民票を、自分が寝ている公園なり路傍なり地下道なり、
その場所の住所に「置かなければならない」。
さもなくば、大阪府警は「捕まえる」と言っているのである
 
 
http://black.ap.teacup.com/despera/124.html
ですぺら - 住民票弾圧

 
 もうひとつ。


でも、この長野地裁の判決と今回の大阪地裁の判決は、
生活の場所に住民票はなければならない、という同じ考え方をしているんだと思う。
実際住んでいるんだったら、住民票は公園にあるべきで、
だけどそれは公園に住んでいいかどうかとは別問題で、
やっぱり住んじゃダメってことだよね。
 あんまりテントに住んでる人たちに優しい判決ってわけじゃないんじゃないかなぁ。
形の上では勝訴だけども。
『一九八四』的な管理っていうのを求める意思が感じられてしまう。

http://rint.asablo.jp/blog/2006/02/12/250737
住民票の場所の問題: メモ日記

 
 もしも、PSE法の絡みで、今までの通例とは違う、
法律に厳密な解釈がでてきたりしたらどうするんだろう?
私の知ってる中古家電の販売業者は「製造業者」と言えるかと考えると
ほとんどの業者さんは心許ない状況ですし、PL法との絡みを考えると。
同じ製品の「製造業者」が複数あるってのは明らかにまずい。
 
 そうなると、電気用品安全法の法の文面通りだと、
PSEマークの有無云々関係無しに、冗談抜きで、PL法などとの絡みを考えると
中古販売"自体が"あらかた「実質禁止」される状況に陥る可能性がある。
 
 真面目な話をすると、
家電製品の「保証」とか「リコール」絡みの話が絡んでくると、
最初の購入者と中古業者を経由した2番目以降の利用者が異なる場合や、
「レンタル扱い製品」の場合に事故が起こったときなどの
補償問題がどうなるのかってのが、異様にややこしくなる可能性が高い。
 
 裁判で決着を付けると将来的に判例としてじゃんじゃん援用されるので、
ここ最近の家電のハイテク武装&個電化の流れを考えると、
*1電子タグをつかった本人認証機能とかのケース*2も少しは考慮する必要がある。
(っていうか、私は法律に詳しくないのでこの辺りコメント&ツッコミ大歓迎)
なんてったって、今は電気冷蔵庫がインターネットに繋がったり、
電気ポットに携帯電話のような機能が内蔵される時代なんだから。
http://www.itmedia.co.jp/news/0206/06/njbt_14.html
 
 過去に、電気用品安全法で「別件逮捕」されたのが
脱法気味のCATVチューナーという"データを扱う家電"だってのも
あまり深く突っ込んでいる人はいないけど、結構大きいんじゃないかなぁ?。
なんだか、私の予想も付かない展開で、将来的に効いてくる可能性はある。
 
 正直、わけわからん状況は続いているわけです。
 

*1:PSE法の本質とは関係ないんだけど

*2:今はまだ出ていないけど、将来的には、Windowsみたくw、ソフトウェアライセンス規定や個人認証設定を承諾しないと使えない家電とかもでてくる可能性がある。たとえば、日本のデジタルTV放送機器なんかはB-CASカードなどを使ってそういう方向に移行する予定らしいし、電化製品に内蔵されるプログラムのライセンスって、すべて中古販売まで考慮しているんだろうか?。