人質への誹謗中傷に見る日本人性

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どん底あるいは青い鳥。
 


「金」についてのフレーズは「迷惑」や「謝罪」よりも格段に多い。
一つのパラグラフすべてが「税金が無駄になった、税金を返せ」で埋まった手紙もある。
もはやObsessionの域である。
 
同じ税金でも、こうした人は、御上による無駄遣いはほとんど問題にしない。
御上の権威は、上で見たように「使える」からだ。
「使える権威」でいてほしいものを、自らの手で貶めるわけにはゆかないだろう。
だから「御上には文句を言わない」「権威には従順でおとなしい」国民ができる。
 
そのように権威に鷹揚な日本人は、しかし、自分と同じ立場のはずの人間、
ともすれば落ち度などもあって、自分より低い場所にいるはずの人間に
「特別に」公の金がかけられることを「絶対に」許せない。
「人質に」「犯罪者に」あるいは「地震の被災者に」、
税金は決して使われてはならないのだ。
 
ここに見られる「横同士の繋がりのなさ」は驚嘆に値する。
 
(中略)
 
日本人の隣人叩きは
「自分を主語に話すこと」「自分として何かを要求すること」
「自分の意見を持つこと」を封じられることと無縁ではない。
自我を持たない人間にとって、他人の自我は脅威である。
だから「目立つ隣人」「自分であろうとする他人」を、
あれほどまでに叩こうとする。