「住所がない」こと。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060127i513.htm
『公園内のテントを住所と認定、ホームレス勝訴:YOMIURI ONLINE(読売新聞)」
http://black.ap.teacup.com/despera/123.html
http://black.ap.teacup.com/despera/124.html
「公園のテントに住民票を移すこと」
「住民票弾圧」
『despera』


で、この読売の記事には出ていないが、
こういう裁判を起こす事になったのにはふかーい訳があるのだ。
釜ヶ崎トロールの会」にかけられた2年前の大阪府警による大弾圧である。
http://www.geocities.co.jp/WallStreet/9279/protest040217.html
(中略) 
住民票は自分が現在住んでいるところに置くものであり、
ほったらかしにしておくと、健康保険や年金や生活保護や郵便や、
もろもろ多大な不都合が生じる。
で、支援者のところや事務所に住民票を置くというのは、
野宿者支援運動の中ではごく普通に行われてきた事である。
それがこのたび、それをやったら支援者の方がパクられちゃう
というような事になったのだ。
では、野宿者の住民票は、どこに置けばいいのか。
「じゃあ、実際に住んでいるところに置こうか。」
公園に住民票を移すのは、野宿者が住民票について
合法状態を保つ、唯一の手段なのだ。
これを区役所が拒絶するというのは、非合法状態を維持しろというのか?
 
世の中には
「法律はそうなっているけど、そんな事を罪にしてしまったらえらいこっちゃ」
という事はたくさんあるのだ。
そこへ、大阪府警は「サヨクの連中をやっつけたい」などという
しょーもない了見でずかずかと踏み込んで、これを「使って」弾圧をしてしまった。
つまり、法体系の矛盾点を大阪府警は利用してしまい、
その結果、法体系の方が是正される、という結果を生んだ、
というのが今回の判決なのである。

http://black.ap.teacup.com/despera/123.html
despera - 公園のテントに住民票を移すこと

 

昨日の山内さんの住民票裁判の報道で、どこのマスコミも全く報道していない問題がある。
これが大阪府警察による、2004年2月の
「電磁的公正証書原本不実記録同供用幇助」弾圧の結末である、という事実である。
http://www.geocities.co.jp/WallStreet/9279/protest040217.html
(中略)
そもそもこの裁判は、
誰も「公園への住民票転入手続きが認められる」なんて結末を
予想もしていなかったのだ。
法制度の矛盾を利用して弾圧を仕掛けてきた大阪府警に対して、
その法制度の矛盾そのものを法廷に持ち込む事で対抗しようとしたにすぎない。
 
 大阪府警がやった事は、
「どうみても現住住所に住民票を置いていない人」に対して*1
「それは犯罪だ」と言ったのである。
そうであれば、すべての野宿者は「潜在的に犯罪者」であり、
いつでも警察の思いつきで弾圧する事ができる事になる。
そんなアホな話があるか、というので起こされたのがこの裁判なのであり、
これによって大阪府警の、「住民票は現住住所に置く」という
原則を利用した悪行が是正されるとよいと考えられたわけである。
 
ところが、驚くべき事に、是正されたのは行政の方だったのだ。
「現に住んでいる公園で住民票を受け付けないのはけしからん」
という話になってしまったのだ。
 
ややこしい事になったのはおわかりだろうか?
こういう判決が出ちゃった以上、野宿者は住民票を、
自分が寝ている公園なり路傍なり地下道なり、
その場所の住所に「置かなければならない」。
さもなくば、大阪府警は「捕まえる」と言っているのである。

http://black.ap.teacup.com/despera/124.html
despera - 住民票弾圧

 

*1:すいづたくみ注:厳密には「どうみても現住住所に住民票を置いていない人」に住民票の"仮置き場"を作ることをサポートする行為に対してかな?実質的にはこういうサポートをする人がいなくなると「どうみても現住住所に住民票を置いていない人」は他に住民票を置く場所が「路上」以外になくなる。