来年のゲーム業界の予測。

 さあ、最後に一発ネタ。来年はなにがくるか、「鬼」を笑わせるために書いてみます。
  
 15秒間(笑)考えたけど、ずばり「リアリズム」から「ポストリアリズム」への転換がそろそろいい加減来ると私は予測します。
(と言い続けてもう何年にもなる気もしないでもない。)
 
 ゲームの「リアル志向」や「物理エンジン(HL2)」、「キャラゲー化」、「ネトゲー」なんて方向もありですが、
それは良くも悪くも結局、近代的作り手側な発想のように私は思います。
(まあ、美術の世界では日本の大衆は印象派止まりなんて言葉もありますから...)
 
 先鋭的であたまの柔らかいユーザー、いわゆる恐るべき子どもたちは、
これからそろそろバーチャルリアリティを越えた、面白すぎる世界へ、
つまり物理的な「リアル感」"以上"のやばい代物を求める方向に行くでしょう。
 『現実的』ではない、これから現実が始まると思わせる新しい体験重視型のゲームや、
オンラインやオフライン一辺倒ではなく「オフ会」的な快感も常に併存するゲーム。
そして、ゲームのために「自分が移動した体験」の共有を持つことがポケモンからさらに進化した物、
あるいは今年まで「ゲーム」の枠を越えた、「場所」「空間」を新しく構築する方向へ行くのかもしれません。

 具体的には、入出力デバイスの変革にはアナログ系・デジタル共にかなり期待が持てますし、
それによりハードウェア・ソフトのきれいな区切りがじわじわ揺らいでいく可能性もあるでしょう。
(最新のセガハード、PICOみたいな操作感覚が再びブレイクしたりしてもおかしくありません。)

 また、SDメモリカードメモリースティックのような高速大容量記憶媒体がいい加減安くなってきたので、
これをうまく使いこなした何か面白いゲームが出てきても不思議はありません。
 開発中にバックアップRAM容量が増えたおかげで初代ポケモンが抜群に面白くなったように、
旧来のゲームの「セーブデータ」の枠を越えた動きが色々あっても面白そうです。
(これは「くまうた」からのアイデァ拝借。)
 
 また、どこでも出来る「携帯ゲーム」とはあえて異なる形式を取る、
自ら、ある場所へ出向く(旅する)ことを求められるスタンプラリーのようなローカル性の高い形式にも期待が持てます。
携帯ゲームは、どこでもゲームをするためにあるデバイスというのではなく、
「ここやそこでゲームをしたい」から携帯するという発想もあるからです。
(この点、「ボクらの太陽」の不調は、ちょっと残念です。
太陽のような自然が相手だと、ゲームの魅力のひとつ「コントロール感」が
完全に制御できないのが失敗要因のひとつなのかもしれません。
ここは人工物で「ボクらの漏れ電波」「僕らの微量電磁波」「ボクらの放射能(笑)」なんかだと、面白いかも。)
 任天堂のゲームキオスクのような手法(月刊任天堂)はこの点でも、ぜひぜひ色々実験継続して欲しいものです。
 
 あと、なんだかんだで不景気なんで(笑)、
「訴求力とバランスのとれた低価格」はもうひとつの鍵。
となると勝ち目がありそうなのはGBAポケモン文化を持つ任天堂かなぁ。
 
 
 というか、リアリズム的視点で考えると、そろそろゲームの「ファンタジー的リアル感」が裸足で逃げ出すような
集団で現実逃避したくなるほどやばいやばい現実が色々見えそうで怖かったりして、
だからこそ、こういう時には新しいブルースやハウスや文学や映画やゲームのような
忘我できるほどのめり込む対象が何かしら求められるのかも。世界中で。