富豪的エンジニアリング

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コメント: 小惑星探査機「はやぶさ」、平成22年6月の帰還に向けた運用を再開 - スラッシュドット・ジャパン


下流の失敗や不手際を上流の物量で何とかしている、
>よくある典型的アメリカプロジェクトの一例をあげようとしたんだけど
>あんまり思いつかないな
 
B-29に搭載されていた空冷星型エンジンR-3350なんてのはどうでしょ。
(略)
 小さな容積で大出力を求められたのでつねにオーバーヒート気味。
 軽量化のためにマグネシウム合金を多用したらそれが大変燃えやすい。
 どこをどう直してもこの欠点は解決できず、B-29の試作機は飛行中にエンジン火災を起こして墜落しています。

 でも戦局の要請から(とっとと日本を降伏させるためには長距離爆撃機がどうしても必要だった)
大急ぎで完成させなくてはいけないんで結局そのまま実戦配備しています。
 
 エンジン過熱の問題はどうしたかというと、「大量生産して使い捨て」。
一度の出撃のたびにエンジンを交換して常に新品のエンジンならば耐えるだろなんとか、という強引さで乗り切りました。
マリアナサイパンの滑走路脇には大量の使い捨てられたR-3350が山積みになってたとか。

 日本の技術者は墜落したB-29のエンジンを調べて「別に技術的にみて目新しい設計じゃないじゃん」
と安堵したそうですが、排気タービンの素材としての堅牢性(日本側がコピーしようとしてもできなかった)と、
その高価なエンジンを使い捨てにするような生産力こそがキモだってことに気づけなかったあたりが
悲しいというか発想がミクロだというか。

 
 今だと、感染防止のために、
医療用手袋とか注射器と注射針とか、コンドームとかを、
洗浄再利用したりせずに、使い捨てにするという発想かな?
モノを作る技術力の乏しさを、スケール大きい運用全体でカバーするというのはアリ。