暴走するネット規制 、あるいは「ネットで婚活」終了のお知らせ

http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0907/06/news004.html
小寺信良の現象試考
 


ではなぜ、性的交渉とは関係のない、
健全なコミュニティまで削除されることになったのか。
それは、警察庁が出したこの法律に関するガイドライン
(「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律等の解釈基準」 リンク先PDF)
で、「インターネット異性紹介事業」として、
「性交等を目的とする交際に限られない。」と定義されているからである。
 
 すなわち、会ってすぐラブホに行くようなことではなく、
趣味の合う異性と知り合いになりたいという、
ある意味男女交際が始まる一番基本的なきっかけを求めるようなものすら、
出会い系サイト規制法の対象となるわけだ。
(略)
そもそも異性交際という言葉は、
落ち合ってすぐラブホ直行のようなものだけを指す言葉ではない。
確かに性交を目的としない、ただのデートも、異性交際と言うには違いない。
一方、この法律が規制したいと思っているところは、児童売春・買春である。
こちらはモロに性交およびそれに準ずる行為を目的としたものだ。
この2つを合体させると、
「とにかく理由目的に限らず知らぬ者同士の男女が出会う可能性のあるありとあらゆるものを規制」、
という珍妙なことになってしまうわけである。
 
 これはどう考えても、法文内で使われる文言の選び方がまずい。
こういうことになると誰も予想しなかったのか、
あるいは誰かが恣意(しい)的にこういう表現にしたのか。
これによって、法の運用上そのスロットルを
警察が自在に握ることが出来る、典型的な悪法となってしまったわけである。
 
(略)
 元の法文の定義によれば、
自分の情報を広く掲載する機能+それを元に1対1のメールで連絡が取れる方法を提供しているサービスが、対象事業となる。
多くのケータイSNSサービスは、登録IDを元にした疑似メール機能を停止せざるを得なくなるだろうし、
アドレスを交換しようとする書き込みを今まで以上に厳しく監視しなければならなくなる。
ガイドラインでは、実際に会わない「文通」ですら、
「交際」に該当するとしているからである。
 となると、twitterとかで「あ〜恋人欲しい」とか叫んで、その後で
ダイレクトメッセージ使うなら、規制対象になるってことですね。どんだけ範囲広いんだ。