「写真のいいとこは1〜2割の理解で着手できるってとこなんだよね、」
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webDICE - 骰子の眼 写真家・石田昌隆:撮り終わった後もその写真について考え続ける人が写真家なんじゃないかな
非常に秀逸な、写真家についての記述かもしれない。
読んで、勇気が出てくるし、すごく参考になった。
それで撮り終えた後に手元にフィルムなりネガなりが残るんだけど、
写真はそこからがすごく長い旅が始まる。
このニルヴァーナの写真のように重要な写真、10年以上生き残る写真が僕の中にあって、
だから今回の写真展をしてみようと思ったわけ。
── という事は撮り終わってからその人について考えていくという事が石田さんの中では大事なんですね。
たぶん写真家と写真家じゃない人の分かれ目って、
撮影技術は別に大して重要じゃなくて、
撮り終わった後でその写真について考え続ける人が
写真家なんじゃないかなって言っても過言じゃないと思う。
(略)
写真はタイミングの問題がすごく多くて、
僕がインドに行ってすごい手遅れだと思ったし、
帰国してニューヨークに今から行っても手遅れだろうとその時は思った。
(略)
これを見たら60年代のニューヨークがすごすぎて
80年のニューヨークは腑抜けで終わってるっ思っちゃってた。
実は終わってないって後から気付くんだけど。
(略)
80年代のニューヨークも本当は終わってなかったし、実はめちゃくちゃおもしろかった。
「パラダイスガラージ」ではラリー・レバンがDJやってて、
それが後のハウスミュージックに繋がっていって、まさに一番いい時期。
ニューヨークのSOHOのすみっこの倉庫のようなクラブでそういうことが実は起こってた。
でも僕は完全に見過ごしてた。
だからリアルタイムで体感するのは凄く難しい。
84年にロンドンに行ったときも
ジャマイカ系移民がロンドンで相当おもしろいことをしてるってのはわかってたんだけど、
まさかブリストルでブリストルサウンドのもとになるような
ワイルドバンチ(マッシブ・アタックの前身)なんかが路上でDJしてるなんてわかんなかった。
だから色んなとこで色んなものを見逃してると思う。
100回のうちの10回のチャンスをものにすればいいほうだよね。
ライターは8割方理解しないと文章書けないけど、
写真のいいとこは1〜2割の理解で着手できるってとこなんだよね、
だから僕はいろんなジャンルのミュージシャンを撮ってるけど、
ライターとしてこれだけ広範囲にフォローするのは僕には不可能だよね。