幸福確認機

http://blogmag.ascii.jp/kodera/2009/06/24213416.html
コデラノブログ 3


 次のフェーズとは、今ある現実の幸せを、
より拡大して見せてくれるためのカメラ、である。
目の前の現実をそのまま映し出す事は終わり、
目の前の現実を、目視以上に良く見せてくれるもの。
それが次の30年で求められる物だ
(略) 
次のステップは、「予想外に良く撮れる」ことなのだろうと思う。
それは画質云々ではなく、表現の領域である。
絞りやシャッタースピードを変えれば、ある程度表現できることは、
カメラの仕掛けを知っている人ならわかる。
しかし、そうではない人に対して、そういうプリミティブな仕掛けを
いかに簡単にアクセスさせるか、の領域に入ってきているのである。
 
(略)
専業アーティストでなくても、アートワークをやる権利は、誰にでもある。
そういう豊かな国に、日本はようやくなったのだ。
 
僕は、そういうことをやれるのがカメラメーカーの責任だと思っているのだけれど、
実際はキヤノンよりもソニーのほうがそういうことに理解がある。
ソニーは、売れる見込みがなくても、「出すべき」製品を出し続けている。
 民生用のカメラが、撮影時に、撮影意図をどの程度オートで補助するかというのは、
デジカメの世界では「シーンセレクト」や「ベストショット」機能で、かなり積極的に行われています。
 
 こういう演出で新しいことを頑張っているなぁ…と思うのは、
スチルカメラの分野ではフジフィルムとかカシオ。
特に、フジフィルムはデジカメ初期の頃から色々やってました。
あと、最近はオリンパスも"こちらの方向"にシフトしています。
 
 
 次の30年という長期スパンで考えると、高額なカメラでは、
とりあえず生データは色々なメタデータ含めて記録しておいて、
演出に関しては後でどうにでも補正可能な形になるのかなぁと予想。
 その代わり、商品としてのウリは、高精度な記録が出来るカメラと
その機能をフルに発揮できる編集(出力)ソフトの高度な連携になるのかなぁ…。
 
 次の30年という長期スパンで考えると、高額なカメラでは、
絞りやシャッタースピードという概念は、もう、撮影に必須の機能ではなく、
ある程度"バーチャル化"している可能性が高いです。
フォーカシングやフレーミングに関しても、
普段はパンフォーカスの気持ち広角3D撮影で撮影して、
事後的にピント合わせをエミュレートするという形になるかも。
 
 
 例えば、結婚式の撮影動画データで、とりあえずワイドで撮っておけば
編集時にメタタグで「ブーケトス」と入力すると、
画像認識で花嫁さんと「白いブーケの花束」を主なフォーカスクリア領域にして、
動体認識でブーケを投げ入れる瞬間にハイスピード撮影のエフェクトがかかって、
ブーケを流し撮りしたようなエフェクト+ソフトフォーカス+フレーミング
上手い具合に入ってくるとかいう感じ。
 あと、これに3D距離+動体認識が加わるので、
ちょっとした動体輪郭検出が加われば、マシンパワーがしっかりあれば、
望遠レンズの圧縮効果はフォトショップ的な3D合成で作ることも
将来は可能になるかも知れません。
 
 マシンパワーが、今の、ほんの数百倍〜数千倍程度になれば、
これは非現実的な話ではなくなります。
 静止画レベルでは、人力認識がある程度入ってきますが、
今はフォトショップでやればなんとかなる程度の話です。
 
 あと、30年後となると、
TVだって当たり前のように3D化している時代ですし、
ひょっとすると、自分たちの知っているようなスタイルのTVは
下手をすると30年後には無くなっているかも知れない。