アクトビラとYahoo!とウィジェットの関係は?

http://av.watch.impress.co.jp/docs/series/rt/20090416_125502.html
西田宗千佳のRandomTracking
 ここ最近のネット&TVの動きがまとまった良エントリー。
  


 テレビ版Yahoo! JAPANの会見では、
映像配信の可能性について「計画中」と述べるにとどまったが、
会見後に板東氏に尋ねると、
「秋くらいまで、そう遠くない時期にはなんらかの発表をし、
サービスを開始することになると思いますよ。
デジタルテレビ情報化研究会の仕様に基づいていますから、
H.264(AVC)で映像を再生することになるでしょう」
と語った。
 
 そして、ヤフーの動向が注目されるのは、
「テレビ版Yahoo! JAPAN」発表の翌日、
4月7日、矢継ぎ早に発表された「GyaOとの提携」だ。
現在はUsenが持つGyaOの株式のうち、51%をヤフーが取得、
今秋より事実上、ヤフー傘下にてビジネスを開始する。
(略) 
 
 これらの方策は、アメリカのケーブルテレビ網で成功した方法論だ。
(略)
「コストをかけて作成した映像の露出を増やし、視聴者を出来るだけ増やす」という施策でもある。

 とはいえ、地上波の強い日本の場合、テレビの番組枠はケーブルテレビほど多い訳ではない。
すべての番組で「見逃し対策」を行なうのは、コスト的に見合わないのだ。
 
 そこで注目されるのがネット配信である。
(略)
ヤフーが「オフィシャル映像プラットフォーム」にこだわるのは、こういった事情があるのだろう。
テレビ局が自ら展開することもできるだろうが、
配信のためのコストやシステム構築ノウハウを考えると不安がある。
また、収益の悪化しているテレビ局側としても、
まだ利用者が少ない「テレビ向け」に配信基盤を整えるのは、
かなりハードルが高いビジネスである。
 
だが、すでに同様のビジネスでノウハウを構築しているGyaOおよびヤフーが担当するならば、
テレビ局やコンテンツホルダーとしても乗りやすい、と考えられる。
同時に、番組情報や関連商品の販売情報などを提供するには、
当然「テレビ向けのウェブ」を構築するノウハウも必要になる。
ヤフー・板東氏のいう「テレビ向けコンテンツ構築ノウハウ」は、ここでも生きてくる。
トータルで構築を受注できれば、それだけでヤフーにとっては大きなビジネスとなり得る。
 
 そしてもう一つ大きなことは、
「テレビを利用した場合、技術的難易度が大きく下がる」という点である。
 
(略)
テレビ+強力な映像配信プラットフォームの組み合わせは、
映像に関わるコスト構造や配信の形を大きく変える可能性があることは否定できない。
ヤフーにとっては、十分に勝負をかける価値があった、ということなのだろう。
課金サービスの利用が定着し、インフラ面の問題が解決すれば、
ビデオ・オン・デマンドビジネスにおいても、アクトビラ同様の存在感を持つ可能性も高い。

 
 TVではなく、「レコーダー」を主軸にして考えるとさらにわかりやすくなります。
 チューナーが数個しかない現在のレコーダーの最大の弱点は、
録画保存したい番組を「放送後」に知った場合には、基本どうしようもないこと。
アクトビラフルやyahoo動画などを利用したオンデマンド配信放送をうまく使えば、
例えば、話題の連続ドラマの後追いユーザーや、
DVDが出るかどうかが微妙な瀬戸際のマニアックな番組の後追いユーザーを
"PC抜き"で効率的にまとめることが可能です。
 
 この、"PC抜きで"というのが最大のポイント。
PCだとyoutubeやらVimeoやらうわなにをするやめqwせdrftgyふじこlp
 

ウィジェット的なサービスを、しかも「映像に重ねて見られる」形で実装するには、
ハードウエアの能力がより必要であり、普及するにはまだ時間がかかる。
アメリカにおいてもようやく展示会で見せられるようになった、というレベルであり、
商品化は今年の後半以降になる。
すでにウィジェット的機能を搭載している日本のテレビも、
ほとんどが上位機種における「付加価値」であるあたり、事情は同じである。
ウィジェットがどのような形で一般化するのかは不明だが、
当面「付加価値」として開発が進むとすれば、まだ様々な変化があるはずだ