ムービー編集ソフトに搭載される「後処理」電子手ブレ補正。

http://av.watch.impress.co.jp/docs/series/zooma/20090224_42942.html
小寺信良の週刊 Electric Zooma!】第400回:もはや入門ソフトではなくなったiMovie '09
 


ソフトウェアによる手ぶれ補正は、
数年前からプロ用のプラグインなどで実用化されてきたが、
コンシューマ用のソフトウェアで標準実装されるのは珍しい。
 
 原理としては、映像内の定点を観測し、
そこがぶれないように画角のトリミングを行なうわけである。
ある意味ビデオカメラの電子式手ぶれ補正と似たようなものだが、
映像の外側領域がないため、結果的には若干拡大することになる。
画質的にも当然劣化が発生するため、
手ブレがないのとどちらが良いのかはユーザー自身が判断することになる。
手ブレ補正の演算は、取り込み時に行なうこともできるが、
各クリップごとに行なうこともできる。
 
 手ぶれ補正の演算にかかる時間は、カットの性質によってかなり左右される。
途中でフォーカスが外れていたりすると解析が難しくなり、
そのぶん時間がかかるわけだが、一般的なカットの場合、
実時間の8倍から10倍ぐらいを目安に考えておく必要があるだろう。
  
(チョイ略)
おそらく素材に対して等倍で書き出すことは想定しておらず、
YouTubeiPodなどへ縮小することを前提に考えているのだろう。
 
(略)
新しく搭載された手ぶれ補正機能は、なかなか強力だ。
元々は同社のハイエンド合成ソフト「Shake」に搭載されていた機能を、取り入れたものだそうである。
一般の人からすれば演算に時間がかかってイライラするかもしれないが、
昔はプロ用プラグインを使って、1カットを補正するのに数時間かかったことを考えれば、
数分で終了するわけだからずいぶん高速化されたものだ。
 
 ムービーカメラの必須アイテムであり、
メカもチップも高コスト化する要因のひとつでもある手ブレ補正機能が、
"PCでの後処理"でかなりの程度対処できるようになると、
ムービーカメラ本体メカ部は、かな〜りコストダウンできます。
加えて、過去に撮影した「カメラの手ブレ補正がうまく対処できなかった動画」も
後付けで補正可能になるってのもかなり面白いですね。
 
 ハイビジョン画質だとCPUパワーが結構苦しいみたいですが、
過去にSD画質で撮影した動画だと、
今どきのマックなら結構いい感じの待ち時間で
うまく処理してくれるんじゃないかなぁ?と期待。