会計のいらない商店。

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「コンマ秒」の改善が人の振る舞いを変える - レジデント初期研修用資料


「1時間が30分」の変化は理解しやすいけれど、
「10分が1分」によって起きる変化は予想しにくいし、
あるいはたいていは、「そこまでしなくてもいいよ」なんて思う。
ところが最後のごくごくわずかな変化、「1分 」の改良は、
しばしばその人の生活スタイルを一変させて、
生活には、「通勤」という考えかたそれ自体がなくなってしまう。
 
 田舎の病院で、ほとんど「住み込み」で働いていると、生活から通勤がなくなる。
 
「通勤時間ゼロ」に慣れると、
忘れ物をしないように気をつけるだとか、
大事な書類を揃えておくとか、そういう感覚が無くなる。
昼休みにはちょっと寝に帰れるし、
忘れ物しても、白衣を脱がずに取りに行ける。
生活の中から「通勤」という、後戻りの出来ないコンポーネントが完全に欠落して、
社会復帰するのが大変だった。
 
恐らくは「革命」が起きるためには、
最後のごくごくわずかな改良、
「1をゼロ」に近づけていく領域でのあと一歩が必要なのだけれど、
その「わずか」は、1時間を10分にまで縮めてきた人にとっては、
しばしば誤差として認識されて、改良の手は、そこで止められてしまう。
 
世の中にはだから、「1時間を10分」にまで改良されたものがたくさんあるけれど、
「10分を1分」、あるいは「1分が1秒」にまで突き詰められたものは少なくて、
世の中にはたぶん、「革命」をおこす余地は、まだまだたくさんあるような気がする。
 
当たり前のものをゼロにする
会計をしなくてもいい売店が出来たら、生活が変わる気がする。
 
会員制にして、全ての商品にRFID タグを付けておいて、
お客さんはほしい品物を勝手に持ち帰って、
会計は銀行で引き落とせるようなしくみ。
 
お客さんが、商品を思い思いに「万引き」しているような風景になるけれど、
こういうスタイルになれてしまった顧客は、もう後戻り出来なくなるし、
「会計」というものが生活から排除されると、恐らくは財布のひもがゆるむ気がする。

一番最初の「会員になる」部分がネックになるけれど、
たとえば病院の売店がこのシステムになるならば、
患者さんの身分はみんな明らかだし、退院の時に「精算」できる。
ホテルなんかも同じことが出来る。