「つまり自然物としても人工物としても予想がつきにくい。」

http://dc.watch.impress.co.jp/cda/webphoto/2006/06/29/4095.html
デジカメwatch 内原恭彦(うちはら やすひこ) web写真界隈:
リロードされた世界−−荒川河岸
  
 最初、リローデッドって綴り(=意味)がわからなかったけど、
"re low dead" や"re RAW dead""re road-ed" ではなくて、
"reloaded world"なのね。
 


 ぼくは富士山麓の青木が原樹海を歩いたことがあるけど、
リローデッドワールドのほうが歩きにくいと思った。
リローデッドワールドは、土木工事などによって人工的な地形へと
作り変えられた後に放置され、草木に覆われた場所だからである。
つまり自然物としても人工物としても予想がつきにくい。
思いがけないところに溝があったり、
コンクリートが打ち込まれたでっぱりがあって危険きわまりない。
 
 このような人工と自然が混じり合った地形にくらべると、
山野の自然というのはむしろ単調にすら感じられる。
荒川リローデッドワールドの“人工的な自然”は
どこかゆがんだ自然には違いないのだが、
開発によって痛めつけられた自然などではなくて、
むしろ人工的なものに対峙しせめぎあう旺盛な生命力を感じさせる点で興味深い。
 

はっきり言ってリローデッドワールドは、
気分が滅入るような場所であるのも確かだ。
(中略)
 ただ、一晩中PCの前で作業したあとの妙な疲労感にはハマる光景でもある。
PCのディスプレイ上で拡大したピクセル1個をクリックしたり、
ベジェ曲線のハンドルをマウスでつかんで動かしたり、といった
デジタルな作業にどっぷり浸かったあとで、体中に草の種をくっつけながら
草むらに不法投棄された家財道具をパノラマ撮影したり、
カラスの群れを連写で撮影するのは、
「なんでおれこんなことしてんだろう?」といった
途方に暮れるような爽快感がある。