で、なんとなくWinnyに関する議論を色々眺めていると…HIVウィルスやAIDSや性交渉について道徳だモラルの問題だいやふしだらだいやこれが時代なんだいや薬害だと散々騒がれた15年程度前の議論を、またふと思い出して、それを自分が思い出したことが嫌になる。

 
ほとんどの著名なウイルス*1は、今のところ、
その軽さ故に、基本的にさほど考えないし相手を選べません。
ほとんどの著名なウイルスは思想信条を考えないし選ばないという意味では平等で、
ほとんどの著名なウィルスはしっかり対策すればある程度までなら
感染を防いだり拡散を防げるって意味でも平等で、
けど、ほとんどのウィルスは(不幸にして)感染の瞬間に対策をしてないか相手には
社会的背景やシチュエーションをわきまえずに無差別アタックで攻撃するので、
基本的にディフェンスが弱くなりがちな社会的弱者が
深刻な被害を受けやすいという意味では
明らかに、モダンな社会通念としては不平等です。
 
 こういう書き方ってのは、AIDSにもHIVウィルスにも、
Winnyにも仁義なき(略にも、性交渉にもネットワークのどれに対しても
大量に誤解を招きそうであまり良くないとおもうんだけど、
さっきもまた、長文を書いているときにふと思い出してしまったんだから
それはそれで仕方ないし、あたしゃ弱いので
そういうことを書いてしっかり記録しておかなきゃまた繰り返す(泣)。
で無駄にUPしてみる。
 で、考えてみたら、あたしゃ、AIDS関連の話題とは
小学校の時から20年近く身近に付き合ってるんだ。
腐れ縁とはいえ、長いつきあいだなぁ…。
  
 いつも思うんだけど、Winnyに関しては、
道徳とか倫理とか欲望の問題が色々「過剰に」語られ過ぎる。
いろんな人が色々と「過剰に」語りたくなるような欲望を掻き立てる、
なにか暗喩的なものをWinny的なしくみ持たされているのかもしれない。
スーザン・ソンタグの本でもまた読むかなぁ…。
 
『新版 隠喩としての病い・エイズとその隠喩』 スーザン・ソンタグ
ISBN:4622045559
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4622045559/
 
松岡正剛の千夜千冊:『反解釈』スーザン・ソンタグ http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0695.html
 

*1:注:しかし、最近は特定ターゲットだけを局所的に狙うようにカスタマイズ&コントロールするウィルスがあるのでややこしくなる。特にコンピューターウィルスで、密かに特定ターゲットに対する0-day攻撃を狙った奴。