「世界中の技術者はそう思いこんでいたのだが、これが本当にそうなのか、今回の事件であらためてよく考えてみると、その思いこみには根拠が無いことに気がつかされた。少なくとも技術的な観点からだけでは判断できないところがある。」

http://d.hatena.ne.jp/essa/20060324/p3
アンカテ(Uncategorizable Blog) : 中国版インターネット問題の難しさ
 
 コメント欄で、本記事はガセネタだとの報告があるものの、
この記事から出てきた、この文章は、すごく興味深い。
規格というか、フォーマットというものの本質をすごく突いているし、
過去にHTMLとかの世界で、様々なタグや機能を勝手に拡張したりして
色々と顰蹙を買ったり、サイト制作者を悩ませまくった
マイクロソフトインターネットエクスプローラーのことを考えると
ちょっと不安になった。
 


しかし、中国政府が、
「必要とあらばインターネットで掟破りをする」
という意思を見せたこと(CNET記事によれば真偽は不明だが)の
長期的な意味は大きい。
 
インターネットは、中央に強制力が無くても機能するようにできている。
世界中のサーバやルータの管理者が、
さまざまなインターネットのルールに最低限でも従うのは、
誰かの権威を認めていたり金で縛られていたり逮捕されるからではない。
単に、それを守らないと損をするからだ。
誰でもきまりを守らないとネットに接続できない。
自分が損をしないために、エロサイトも自分のドメイン
INTERNIC(から権限を移譲された各国独自の組織)に登録するし、
スパマーも正式なSMTPプロトコルにのっとってスパムを送るのだ。
 
中国政府だって、「部分的に見せて部分的に隠す」ネット接続を維持するには、
損得計算から言えば、きまりを守った法が得なはずである。
だから、中国政府が検閲をするとしたら、
長年かかって形成されたさまざまなネットの掟の中で行うはずだ。
 
世界中の技術者はそう思いこんでいたのだが、これが本当にそうなのか、
今回の事件であらためてよく考えてみると、
その思いこみには根拠が無いことに気がつかされた。
少なくとも技術的な観点からだけでは判断できないところがある。