対価を払って、特定ジャンルの質の高い広告を買う世代。

http://blogs.dion.ne.jp/arere/archives/2213491.html
『ゲームのマボロシ』「ゲームデザインのこれから(7) Cooperate, Don't Control」
を読んでの感想の、昨日*1の続き。
 
 必ずしも全てが「無償」である必要はないと思う。
立ち上がりが無償で、トータルで見て「適切な価格」であること。
 
 「広告」代金を支払うのは、直接的には広告代理店。
で、広告代理店にお金を払うのは、商品を提供する会社。
で、そこにお金を支払うのは消費者。
 
 商品価値を高めるために広告が行われている。
その広告費用ってのはもちろん商品コストに反映されている。
で、その商品価値上昇の恩恵を被るのは、
場合によっては生産者だけでなく、使用者でもあるわけです。
特にブランド商品のような情報集積形商品の場合には顕著です*2
 
 で、よく書店で見かけるのが、特定ブランド商品のカタログ的ムックやファンブック。
 今の大手ファッション誌の多くが「特定ジャンルの広告の寄せ集め」で
雑誌が売れる"前"からすでに黒が出ているという状態*3なのは結構有名な話ですが、
そういう「特定ジャンルの広告の寄せ集め」雑誌を買う層も
世の中には昔からいっぱいいるわけです、どんなジャンルでも。
男性向けでも、monoマガジンなんかはそういう雑誌の走りですし、
ファミ通みたいなタイプのゲーム雑誌だって未だに書店で平積みされます。
 
 ちなみに、そういう広告主導タイプの雑誌の定価は、
少々高くてもその分広告の"質"が高い方が特定のクライアント、
特にブランドイメージを重視するクライアントには
喜ばれるケースが多いです。
その一方で、フリーペーパーみたく、無償提供されるものもありますが
 
 最近のTVゲームの特徴のひとつ「カスタマイズ性の高さ」を
高額広告・顧客の絞り込み用の売り込みとして使うってのはアリだと思います。
 たとえば、グランツーリスモ4のPriusヴァージョン*4
Nikeヴァージョン*5なんてのは、その適切な事例のひとつだと思います。
 数百万円の車を買う場合には、その消費者に対して
千円分程度の広告アイテムを配ることは適切だし、
Nikeの限定スニーカーを買う層には限定のゲームのために
1万数千円の額を支払わせることが「ブランド帰属心」を高める効果がある。
 

*1:http://d.hatena.ne.jp/workshop/20051105#p1

*2:ファッション系のビルボード広告など

*3:個人的には、こういう雑誌の今後の「流行しそうなファッション」チェックはストリートとかなり外れていることが多くて笑える。

*4:非売品だけど、結構どこでも見かける

*5:これは滅多に見かけない