液体レンズとは

http://techon.nikkeibp.co.jp/NE/word/051028.html
Tech-On!用語辞典 by 日経エレクトロニクス
(情報元:「機構部品ゼロ 量産近づく 液体レンズの実力」
日経エレクトロニクス』2005年10月24日号)
 


液体レンズ
 
 水溶液とオイルの界面によって光を収斂または発散させる光学部品。
界面の形状を変えることで所望の屈折力を得られる。
このため,固体レンズのようにレンズ自体を光軸方向の前後に動かさなくても
オートフォーカス(AF)や光学ズームを実現できる。
界面形状は一般に,液体レンズ中の電極に印加する電圧によって制御する。
 
液体レンズでは,水溶液とオイルを封じ込めた容器の内側に,
部分的に撥水性コーティングを施してある。
これにより,電極に電圧を印加していないときは,
はじかれた水溶液とオイルがほぼ平らな界面を作る。
これは無限遠に焦点が合った状態に相当する。
電極に電圧を印加すると,絶縁部の周辺に電荷が集まり,
周囲の力関係の中で撥水性が相対的に弱まる。
水溶液とオイルの界面は光を収斂させる形状になる。
特徴は,光学系が小型になる,製造コストが安くなる,
消費電力を低減できるなどである。
 
 光学系が小型になるのは,
機構部品なしで焦点合わせや光学ズームを実現できたり,
レンズの位置を光軸に沿って動かす空間が不要になったりするため。
製造コストを減らせる理由は,
アクチュエータといった可動部品を用いる既存のAF機構よりも部品点数が少なく,
さらに組み立てが簡単になるからである。
このほか消費電力が少ない,
ピント調整できる時間が速いといった特徴もある。
 
 フランスVarioptic社などは2005年末までに量産出荷の準備を終える。
同社の技術を使って,韓国Samsung Electro-Mechanics Co.,Ltd.も
液体レンズを造る見込み。
そのほかオランダRoyal Philips Electronics社も開発している。
 
 より詳しい内容は、『日経エレクトロニクス』に掲載されてました。
今のところ、画質的に300万画素程度までなら対応可能だとか。
 
http://www.varioptic.com/en/documents/Variable_focal_lens.pdf
 詳しい論文。
(情報元:『Life is beautiful』「液体レンズ」
http://satoshi.blogs.com/life/2005/06/post.html )
レンズが小さい限り重力や振動の影響は無視できるぐらい小さいらしい。
極小CCD+パンフォーカス単焦点広角+マクロ用フォーカスという
使い方で、「ちょっとした」画像を撮るくらいならこれで充分かも。