研究報告「東洋人と西洋人は世界の見方が異なる」

http://hotwired.goo.ne.jp/news/culture/story/20050825203.html
HotWiredJapan


 ニスベット教授は、このような東洋と西洋の違いを具体的に示すために、
日本人と米国人に水中の光景を撮影した写真を見せ、
何が見えたかを言ってもらう実験をした。
 
 米国人は、最も鮮やかな色をしたものや動きの速いもの、
たとえば、マスが3匹泳いでいるといったことを最初に答えたが、
日本人は、水の流れが見える、水は緑色だ、底に岩があるなどと言った後で、
魚のことを話す傾向が強かった、とニスベット教授は語る。
 
 ニスベット教授によると、
日本人は米国人に比べ、背景についての情報を60%多く、
背景と手前に写っている物との関係については2倍多く話したという。
 
 研究チームは最新の調査で、
写真を見ている時の中国人と米国人の目の動きを追っている。

 米国人は、前景に写っている対象
――たとえば、ジャングルにいるヒョウなど――にすぐに目を向け、
それをじっと見ている時間が長かった。
中国人の方はしきりに目を動かし、特に背景に注目しながら、
背景と手前に写っている主な対象との間を行ったり来たりしていた
と、ニスベット教授は説明する。
 
 この違いの原因は文化にあるというニスベット教授の考えを裏づけるように、
北米育ちのアジア人を調べたところ、
アジアで生まれ育った人とヨーロッパ系米国人のちょうど中間の反応を示し、
ときには米国人のほうに近い見方をすることが判明している。
 
「これらの研究結果は特に注目に値する。
文化の違いが、目の動きを制御するというような
低レベルの認知プロセスにまで及んでいることを示すものだからだ。
われわれが世界をどのように見、どのように探索するかは、
われわれが生まれ育った場所によって事実上決まるということを、
これらの結果は示唆している」

 例えば、クラブにいる麻薬捜査官の視線が
天然のクラバーとなんとな〜く違うので気が付くように、
"視線"は「学習」によって「習得」するものだってことからすると
そんな結果が出るのはの当たり前だろっていう気もするけど、
研究データとして出してきたのは面白い。
「地元」と「知らない場所」の差などの今後の研究に期待。
 
 で、視線とTVとか、TVゲームの関わりについての研究は
将来的にどうなるんだろう。