岡本浩一『無責任の構造 モラル・ハザードへの知的戦略』

 岡本浩一『無責任の構造 モラル・ハザードへの知的戦略』
ISBN:4569614604
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569614604/
を昨日から読んでいます。
(あ、この本のAmazon読者レビューも興味深いので読んでみてください。)
 PHP新書なのであまり期待していなかったけど(失礼)、
実践的な面でも「使える」予想外の好著でした。
PHP新書なんで、ビジネス書らしく、後半はえらく実践的なんですが、
前半部〜中盤部を色々と読んで、色々な日常のシチュエーションを考えると、
日本だとこの「無責任の構造」の問題の根はえらく深いことに寒気がしてきますし、
http://amrita.s14.xrea.com/d/?date=20040427#p01
(『圏外からのひとこと』:体系的な無責任)なんて記事をその後で読むと
はっきり言って落ち込みます、ブルー入ってきます。
 
 こういった落ち込みによる精神的な消耗で、責任感のある人が疲弊・摩耗して消えていく状態が
長年の間に色々積み重なったことが、現状に繋がっているのかなぁと。
(色々な意味で疲弊するけど「回復の機会が少ない社会」って気がします、今の日本は。)
 
 そして、この本を読んで非常に驚いたのは
「少ない謝礼(あるいは軽い刑罰)で不正行為や(あるいは快楽の抑制)を行わせることが、その行為を行為者の内面で正当化(合理化)させやすい」ということ。
 このことは、心理学的には自明の事実らしいんですが、自分は知らなかったことです。