キヤノンの新しい超薄型レンズ「EF-S24mm F2.8 STM」を買って1週間ほど撮影してみました。よくできてます。

CANON EF-S24mm F2.8 STM testshot
小型軽量で、お散歩のお供に最適のレンズだから撮れるのが、こういうスナップショット。
 

Canon レンズフード ES-52

Canon レンズフード ES-52

11月13日に発売されたキヤノンの新しい超薄型軽量レンズ、
「EF-S24mm F2.8 STM」を購入して、1週間程度いろいろ撮影してみました。
 

Canon EF-S24mmF2.8 STM testshot
Canon EF-S24mmF2.8 STM testshot
(NOTE : front of lens is stained ) CANON EF-S24mm F2.8 STM testshot
EF-S24mm F2.8 STM、このレンズ最大の特徴は、ものすごく被写体に寄れること
 
http://cweb.canon.jp/ef/info/ef-s24/index.html
Canonのメーカーwebサイトによると「レンズ面から最大9cmまで」寄って撮れるとのこと。
撮影しているときの実感だと、パンケーキレンズの薄さもあって、「被写体に貼り付くように寄って撮れる」と感じます。
一眼レフカメラの日常使いで、「撮影したいのだけど、これ以上寄れずに困る」ことはまずないでしょう。
 
飲食店の狭いカウンターで食べ物の写真を撮ったり、
出先で買ったものをSNS投稿用に手持ちで即撮影するなど、
従来はスマホで撮影していた場面で「一眼レフカメラで撮った、より綺麗な写真にしたい」場合には、
EF-S24mm F2.8 STMは最適のレンズになると感じました。
 
CANON EF-S24mm F2.8 STM testshot
小型のフィギュアをちょっと寄り気味で撮影するのにも便利です、
Closeup photo test : EF-S24mm F2.8 STM mirror selfie testshot
鏡を使っての近接撮影だと、ここまで寄れました。
(この鏡はガラス面と反射面の2層構造になってるので像が多重になっています。)
 
 
もう一つの大きな利点は、レンズが小型軽量なこと。
レンズ単体では約125グラムという軽さは、終日カメラを持ち歩くときには大きな利点です。
スナップショットで首からさげたカメラを目元に構えるとき、最初の数回は軽すぎて戸惑いました。
Canon EF-S24mmF2.8 STM testshot
Canon EF-S24mmF2.8 STM testshot
CANON EF-S24mm F2.8 STM testshot
撮影時の一瞬の判断で巧拙が決まるスナップショットだと、このレンズの軽さが大きな利点になります。
カメラを構えて、ファインダーを覗くまでの時間が短縮できるのはいいですね。 
 
Canon EF-S24mmF2.8 STM testshot
CANON EF-S24mm F2.8 STM testshot
CANON EF-S24mm F2.8 STM testshot
Canon EF-S24mmF2.8 STM testshot
中心部の描写能力は、このサイズ・価格のレンズとして、とてもとてもとてもよくできています。
レンズの薄さや前玉のサイズからは、傍目には想像がつかないほどの高精細な描写は素晴らしいです。
少し使い込んだキスデジX2での撮影では中心部描写は明らかに「レンズが勝っている」状態でした。
最新のEOS KISS X7や70D、そして7DmarkIIなど最新ボディで撮影するとレンズの実力が発揮できるかと思います。
 

Canon EF-S24mmF2.8 STM testshot
Canon EF-S24mmF2.8 STM testshot
Canon EF-S24mmF2.8 STM testshot
ハイライト〜暗部の描写や色の出し方に関しては、少し特徴があるかなぁという印象です。
強い光が入るシチュエーションで撮影すると、ハイライトが思っていたよりわずかに飛びやすい(粘らない)、
そして、そのハイライトにあわせて露出を少し下げ気味に決めておくと、
今度は暗い部分が撮って出しそのままではより暗めになってしまう傾向があります。
ただし、完全な黒つぶれではなく、暗部情報はそれなりには残っているので、
RAW現像などを行う場合は後処理で暗部をうまく持ち上げてやるとうまく収まるかと思います。
 
Canon EF-S24mmF2.8 STM testshot
Canon EF-S24mmF2.8 STM testshot
Canon EF-S24mmF2.8 STM testshot
色の出方は…なんとなくですが、発色の「押し出し」が強くなる傾向があるかなぁ…と思います。
いつもの感覚で撮影していると、色が乗りすぎて、飽和してしまうことが時々ありました。
気になる人は、カメラ内の画質調整で彩度強調をかけ過ぎないようにしておくといいかもしれません。
 
Canon EF-S24mmF2.8 STM testshot
Canon EF-S24mmF2.8 STM testshot
なので、明暗差が極端に大きくなく、色味が少ない場面で、ワンポイントの差し色を入れたシーンを撮ると、いい感じに映えます。
 
RAWで撮る場合は、撮影時には気持ちアンダー気味に撮っておいて、
撮影後の現像処理で的確に暗部情報をおこして、被写体に応じた彩度調整を色飽和しないように行うといいでしょう。
 
(NOTE : front of lens is stained ) CANON EF-S24mm F2.8 STM testshot
CANON EF-S24mm F2.8 STM testshot
Canon EF-S24mmF2.8 STM testshot
そして、夜景撮影にも、けっこう使えます。
EF-S24mm F2.8 STMには手ぶれ補正機能が付いていません。
が、開放F2.8と明るいレンズで、絞りを開き気味での描写もなかなかいいので、
手持ち撮影をする場合は、思い切って高感度側を使ってやると(<ここがポイント)
夜間スナップでも思いの外シャッター速度を稼げます。ぜひチャレンジしてみてください。
 
 
CANON EF-S24mm F2.8 STM testshot
歪曲に関しては、直線物、特に水平がしっかりとれた建物などを撮影する場合は、ちょっと目立ちます。
最近の安価なレンズだと、歪曲に関してはある程度デジタル後処理で補正をかけることで対応することが多いのですが、
11月22日現在、とても残念なことに、EF-S24mm F2.8 STMはキヤノンAdobeなどのレンズプロファイルが対応していません。
年末年始までには、デジタルレンズオプティマイザなどの対応機種に追加して欲しいところです。
 

強い光や影が中心部に入る場面を撮影するときなどには、なるべく平均測光を使うことをおすすめします。
(中央重点測光で撮影していると、時々中心部の露出に引っ張られすぎるかもしれません…。)
あと、24mmのレンズの割にはピント面が少し浅いのでは…と感じる場面がしばしばありました。
パンフォーカス気味に撮影したい場面では、フォーカスする距離と絞りなどには気を使った方がいいかもしれません。
 
Canon EF-S24mmF2.8 STM testshot
最後に、換算38mmという画角、標準レンズよりも少しワイドな画角で、なかなか使い勝手がいいです。
少し昔のiPhoneや携帯電話の内蔵カメラに近い画角なので、一眼レフカメラを初めて使う人にもなじみ易い画角かと思います。
 
近接撮影にとても強くて、画角が適度で、中心部が特に高画質で、そして価格もサイズもお手頃。

画角の隅から隅までの高画質を重視する場合は、これよりもワンランク上の単焦点レンズを使われることをおすすめしますが、
キヤノンAPS-Cフォーマット機を使っていて、単焦点レンズらしさを「気楽に楽しみたい」場合や、
普段常用するレンズに加えて「もう一本なにかしらレンズを持って行きたい」ときに最適だと思いました。
買って損はしない、とてもよくできたレンズです。
 
今回の撮影画像はこちらにまとめてます
https://www.flickr.com/photos/workshop/sets/72157649259643092/
Canon EF-S24mm F2.8 STM testshot - an album on Flickr