「つまり、Antinnyは、Winnyネットワークを壊すことなく、人を罠に陥れる楽しみを続けられるように(手加減して)作られているのである。」
http://takagi-hiromitsu.jp/diary/20060416.html#p01
『高木浩光@自宅の日記』
「Winnyネットワーク崩壊への最終シナリオ」
仮眠取ろうかとおもってた直前に読んで目が覚めた!
相当色々詰まってます。
けど、なぜこの時期にこの文章が出てきたってのはちょっと謎だ。
(なんとなくこういう展開はある程度予想がついてましたが、
内容を読んでいるともう数ヶ月早くこの文章が出てきてもよさそうな気がします。
ひょっとしたらWinnyのプロトコルが完全公開されるめどがしっかり立つまで
色々発表を待っていたのかなぁ?)
つまり、Antinnyは、Winnyネットワークを壊すことなく、
人を罠に陥れる楽しみを続けられるように(手加減して)作られているのである。
したがって、次の展開によって、Winnyネットワークは崩壊への道をたどると考えられる。
メールソフトやWebブラウザの脆弱性を突く 0-day攻撃で、
何の落ち度もない人達に感染するウイルスが登場する。
そのウイルスは、被害者のコンピュータ内の
秘密のファイルをWinnyネットワークに放流する。
Winnyを使っていなくても、他人が使っているWinnyに接続して
放流してしまう。
自称進歩的識者達がこの被害に遭う*1。
このとき、もはや「誰それが悪い」と言えないだろう。
自分の身に降りかかった痛みを知ってようやく
Winnyネットワークの存在自体の危険に目を向けることとなる。
「Winnyは安全だ」「悪いのはトロイを踏んだ馬鹿な人だ」
などと言っていたトンチキが目を覚まし、
「やっぱりWinnyを止めよう」ということになり、
Winnyネットワークはようやく縮小の方向に向かう。
火急の対策として、Winnyをそういう風に使うツールが出てくる前に
なんとかする必要はありそうですが、こういう文章が出てきたって事は
高木さんの側では対処のやり方はなんとなく準備できてそうだし、
この辺りは、さほどグッとは来ない。
っていうか、ウィルス経由ではなく、
「わざとAntinnyに感染させられたPCによって、
放出されたっぽいとの噂が出る怪文書」ってのが
過去に色々あったことから想像はつきそうなんだけどなぁ。
ウィルス0.1としてのWinnyネットワークへの人力での情報流出。
関連リンク:
http://www.new-akiba.com/news/0506/24/05/index.html
にゅーあきばどっとこむNEWS
( 追記:自分の過去日記をチェックしてみたら、
1年前のスラドにそういう感じのコメントがあったのを
しっかり転載してメモしてました。
> #Winny使わなければいいというのなら賛成だが
Winnyを勝手にインストールしてしまうようなウィルスとか、
Winnyプロトコルをしゃべれるウィルスとかが、
そのうち出てくると思う。
http://slashdot.jp/comments.pl?sid=262302&cid=756764
『原発情報がWinnyで流出』
http://d.hatena.ne.jp/workshop/20050627/p6 )
けど、この辺りの問題は本気で考え出すと、
将来的にWinnyだけではなく、P2Pソフトウェアだけでもでなく、
今の「Google的こと(ローカルの情報もメールもひたすら集める)」
とかの関わりでも相当ややこしくなるだろうなぁ。
Googleデスクトップ的なサービスが複数・いや無数に存在するようになって
それらが色々連携しだしたら、一端そのサービスに載せたファイルの行方は
いったいどうなるんだろう。
Winnyプロトコルやキャッシュ云々の件は
昔から言われていたことなんで正直目新しさはない。
ただ、それが「容易に誰でも実行できるようになった」ってこと。
ただし、明らかに狙っておおざっぱに書いていそうな場所がある。
Winnyのクラスタリングシステムからくるキャッシュの"おおまかな"性質から言って、
最近は女性のウィニーユーザーも少なくないと聞く。
「私のウィニーはきれいな*2ウィニー」と思っていても、
実際には児童ポルノなどのデータが自分のウィニーの
「キャッシュ」というフォルダ内に自動的に入ってくる。
キャッシュ内のファイルは簡単には開けない。
ゼロイチだけで判断するのは不適切な部分もある。
"比較的「きれい」"なキャッシュが多い"とか
"かなり「エロエロでアレ」なキャッシュばかり"
とか、"ほとんど「きれい」だけどごく少数の"ヤバイ画像"なんて具合に
割合もある程度考慮することになる。
ただし、大概の「流出データ(ワードやエクセルなどのファイルが主)」に関しては
ファイルの容量が動画データに比べて"圧倒的に軽い"ので、
当該ファイルの流出にも気が付きにくく、
それ故に細かいホコリのように様々な場所のキャッシュに載りやすく、
結果的にネットワーク上に延々とキャッシュがはびこりやすいという
傾向はあるかもしれない気がします(<この辺り理解が浅いので結構いい加減)。
Winnyの凄いところは、"特定の"WordやExcelファイルの
"1bit辺りの社会的重さ"がてきめん重いってことを
しっかり明らかにしてしまっていることかもしれない。
それにキャッシュの"中身"がある程度見られるようになったら。
じゃんじゃんキャッシュをより分けていくユーザーが出てくるし、
その辺りを自動化するツールも出てきそう。
たとえば、自分のクラスタにあてはまりそうなキャッシュだけを
自分のPCのキャッシュに残しておくとかいう人も増えるかも。