googleが考える「今はやらない」サービス。"あえて偏ったgoogle検索"

 理知的ではないものを解析して発信することはgoogleには不可能だろうけど、
理知的ではないけど、それ自体が理知的な他人の関心を呼ぶものを、
web上で「理知的ではない状態のままにキープする」のは、
特別なタブーとかがない限りなかなか難しいんじゃないかなぁ。
例えば、美術作品なんかだと、鑑賞者に勝手に「理知的に解釈」されて、
その解釈データを元にgoogleのプログラムが「追っかけ」をする。
 
 理知的な「その周辺」のデータで
「超速攻で後追い」した結果を表示することは、
googleには技術的にいつでも可能。
 
 googleの凄いところは、検索結果の情報提供など、
ほぼ全てのサービスをプログラムがやっているので、
"ノイズを覚悟で"クロールと反応速度を上げれば
今よりずっと瞬発力が出るポテンシャルがあること。
 
 で、その後追いした結果を、検索に反映して出すか出さないかは
googleの中の人の「チューニング」次第*1というだけで、
理知的ではない元情報を「即座に」後追いすることに特化した、
偏った結果を出せるgoogleの派生ver.なんてのは、
googleの内部の幾つかのパラメーターをいじって、
ちょっとした機能を組み合わせればいつでもサービスイン可能なのかもしれない。
「今は、やらない」だけで。
  
 例えば、googleデスクトップと、
SNSのフレンドリストや有名タレントのblogとを組み合わせて、
「おともだち」や某有名タレントwの最近の検索・お気に入りワードを
"検索の評価付け"に組み込んだ音楽やファッションやコスメやグルメの検索とかを
セレクトショップのような形で提供するなんてのは、
googleの技術力があればあっという間にできるんじゃないかな。
「そういうサービスを、今のgoogleとしてはやらない」だけで、
実際のところgoogle社内では有志がそういうことをやっている可能性は高そうというか、
私がgoogleの中の人だったら、そういう遊び方*2だけで数ヶ月あれこれ楽しめるはず。
 
 例えば、id持ちのはてなの利用者層の偏りwを利用した
google検索「はてな風味」*3』なんてのは、正直今すぐ出てきても全然おかしくないし、
slashdot風味に偏ったアレゲな検索なんてのは
ひょっとしたらgoogleの中の人だけが使える特権的サービス(α版)として
既に社内限定ではサービスインされているかもしれない、ほぼ確実に。
人力ベースのはてなブックマークとは違った検索結果が出て来るんだろうなぁ。
 
 あるいは、例えば、検索オプションに
様々な「時間軸」が追加されていて、
「ここ30分間以内で更新されたblogスタイルのサイトで、
かつニュー速vipへのリンクがやけに多いデータだけで検索」とか、
Internet Archiveとの組み合わせで
「"ちょうど10年前の今日"同じキーワードを
今の技術でgoogle検索した場合に出たであろう検索結果」とか、
「ここ1ヶ月間、キーワード「じゃじこ」で赤丸急上昇しているサイトを検索」も
ひょっとしたらgoogle内部にはあるのかもしれない。
  
 そうそう。
例えば、現在中国で行わている「検閲(フィルタリング)付き」での検索サービス提供などは、
将来的には、日本でも、エロゲサイトやゲームサイトにアクセスできなくする設定の
「office専用googleデスクトップ*4」みたいなビジネスに派生する可能性があったり、googleをかなり深くまで知っている
"どこかの企業"が、「キリスト教原理主義者向け検索」みたいなのを
google検索の結果を複数組み合わせたメタ検索システムとして作るかもしれない。
検閲ではなく、顧客の「ニーズに寄り添った」情報提供のカスタマイズと言えば
受け入れられる可能性は高いだろうなぁ。
 
 今のところ、googleは「機械検索の公平性・公正性」を
表だって企業イメージupのための旗印にしているので
こういった検索結果のバージョン違いはほとんどない*5けど、
「機械検索での重み付けの恣意性」に注目したり
google八分のような例外措置の設定に注目すると、
ある程度の出力傾向を「狙って」出せるし、
だからこそ、googleに特化したSEOSEM対策が有効になる。
 

*1:そうそう、googleの検索ではチューニングの子細が公開されていないのは、貴重なノウハウ部分だからおいそれと公開できないことが察せられるとはいえども「怖い」ところ。

*2:例えば、検索の評価付けに特定のオタ友を加味したり外したり、個々の要素の重み付けを変化させることで検索結果がどう変化するかとかを色々試す

*3:はてな内を検索」ではなく、あくまでも「はてな風味」なのがポイント。

*4:入力した検索キーのログを管理者に随時送信可能

*5:けど、検索結果の「国ごとのバージョン違い」はなんとなくあるっぽい。