負けのレトリックと、実際の結果の強さ。

http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya1107.html
松岡正剛の千夜千冊:『負ける建築』隈研吾
 


このような負けのレトリックの裏側で、
またしても建築という結果の強さがのうのうとしはじめたのではないか、
そう言うのだ。
 
 建築は負けたなどと言うべきではない。
どうしようもなく強いものだと自覚するべきなのだ。
建築はやはり勝つ宿命から逃れられはしないのだ。
遁走はできないはずなのである。
そのような宿命を自覚するこのほうが重要ではないか。
隈はそう言いたかった。
 
 ある特定のオブジェクトや現象が、
容赦なく『ある』ということを毅然として認めることは
結構勇気がいることです。